ケアマネニュース1

(一社)香川県介護支援専門員協議会ニュースから
文章を依頼され、10回ほど書かせて頂きました。
私は一番最初の試験を受けた、ペパードライバーケアマネ。
ケアマネとしてではなく、訪問歯科衛生士として思うところを
文章にしましたので紹介します。

歯医者さんが走る!(シリーズ口腔ケア NO 番外編)
坂東歯科クリニック 本田里恵

今回、シリーズ口腔ケアの番外編を書くように仰せつかった、走る歯医者さんの後ろを歩く歯科衛生士の本田里恵と申します。歯科衛生士になって40年、そのうち30年は様々な形で訪問口腔ケアに携わってきました。現在は坂東先生の依頼を受け、患者さんの健口の為なら何をしてもいいということで自由奔放(あくまで常識と法律の範囲の中)に仕事をしております。その患者さんのお一人として、特別養護老人ホームのSさんに出会いました。うまく車椅子を操り、食事も普通食を自分で食べることのできる、カラオケが大好きな60代女性です。

宮古島出身のSさんの口腔ケアをはじめて8年になりますが、一週間に一度の口腔ケアの折に、高松に嫁ぐきっかけや、宮古島のことを話して下さっていました。高松のうどんより、ソーキそばが好きと聞いていましたので、デパートの沖縄フェステイバルでソーキそばを求めてお持ちしたこともあります。(常々医院長は、おいしく食べて頂くことが我々の目標ですから、好きなものを提供することが大事だと力説しております。)

ところが、平成29年10月、脳梗塞の再発で入院となりました。退院してきたときは、経鼻栄養のカレーテルが通され、声かけに対してコミュニケーションできない状態でした。ちょうどその頃、歯科衛生士学校の学生さんが実習に来ました。奇遇にも宮古島出身の学生さんが2人おり、施設の皆さんに、宮古島の歌と踊りを披露したのです。リクライニングの車椅子に乗せられてその場に居合わせたSさんは、閉じた目から一筋の涙を流し、手でかすかにリズムを取り始めました。そして、ゆっくり目を開きました。施設の介護福祉士さんの歓声が上がりました。目覚めたのです。その後、簡単な会話ができ、アイスクリームを少々食べることができるところまで回復してきました。

平成30年の10月、八重山民謡をBGMに口腔ケアをしながら、Sさん尋ねました。
「叶うなら、今、何がしたい?」
「宮古の家に行きたい。」
「行ってどうするん?」
「会いたいなー」
「誰に」
「兄弟に・・・でも、無理やなー」
「そしたら、私がSさんの代わりに宮古島の家に行って家族の写真を撮ってきてあげる」と、約束をしてしまいました。私と変わらぬ年齢で施設に入所したSさんの思いを、少しでも叶えたいと思ったのです。

実習生の歯科衛生士学校の先生に、宮古島に行こうと思うと伝えると、なんと先生も春休みなら同行したいとのことでした。さらにその話が、衛生士学校の沖縄担当の学生募集の先生に届き、一緒に尋ねてくれることになったのです。さらにさらにその話を聞いた地元の男性が、通訳(地元の高齢者の話は難しい)となって協力してくれました。Sさんの記憶には、宮古島の町村合併前の町名しか残っていなかったので、心強い助っ人との登場となりました。助っ人さんは、Sさんの記憶にある町の農協へ行って、そこから目的地を探すという作戦に出ました。なるほど、地元の方ならでは名案です。

ついに広々としたサトウキビ畑に囲まれた、Sさんのご実家発見。恐る恐る玄関で声をかけると、お兄さんらしき方が迎えてくれましたが、突然の見知らぬ来客にきょとんとしていました。訪問の旨を伝え、持参したSさんの写真を渡し、近況を報告しました。その後、宮古島のご家族と家の写真を撮らせていただくこともできました。

高松に帰って早速、Sさん宮古島の写真や動画(いつの間にかできていた撮影班による)を見せると、「兄貴やー」と、いつもの2倍の声が出ました。家やその周りの風景の説明も、しっかりしゃべってくれます。お土産に頼まれた宮古島の黒砂糖(宮古島産には宮古島独特の味があるそうです)を食べてもらうと、嚥下も上手!!階段を一段、いえ、二段上がったように口腔機能が向上しました。 “やりたいことをする”に勝るリハビリなしであります。

Sさんは、「ありがたいなー」というのが口癖で、愚痴を一度も聞いたことがありません。感心しながらも不思議だと思っていました。しかし、今回宮古島を見て歩き、美しい自然とゆったりした時間の流れ、なにより当地の暖かい皆さんの人柄に触れて、Sさんのことが少しわかったような気がしています。これからの口腔ケアでは、また話題が広がることと思います。

歯科医療の枠を超えて、「今、目の前の患者さんに何ができるかを考え、それを全力で行う」という自由が許された環境に感謝です。宮古島は常識の範囲を超えていると言われるかもしれませんが、たまにはいいのではないでしょうか?このようなことの積み重ねによって、きっと、常識は上書保存されていくはずです。私たち自身が要介護の当事者になったときを考えても、幸いなことです。Sさんの口腔ケアを通じて広がったやさしい皆さんとの出会いが、私の人財産となりました。機能するネットワークが紡がれていく、宝物のような経験に、合掌!

日々思うこと ケアマネニュース1 はコメントを受け付けていません

リモート講演のおまけ

令和4年1月23日 13:30~16:00
兵庫県歯科衛生士会但馬支部
リモート講演は無事終了しました。

と言いたいところですが、スタート早々私の不手際で10分弱の放送事故。
パワーポイントが消えた・・・
また、前半ははじめてのZOOM講演、壁に向かってしゃべっていると
孤独で、しゃべるスピード、間合い、タイミングがつかめず、
皆さんには理解しがたいお話になってしまったのではないかと心配しております。

長年行ってきた私の講演スタイルは、会場の皆さんとコミュニケーションをとりながら、
すすめめていくものだったため、このような結果になったのだと反省しております。

講演内容については年末に勉強会のお仲間の皆さんからいろいろダメ出しを頂き、
修正をしたのですが・・・・
ZOOMには、それに合ったスタイルがあるのだと学びました。
教材授業などのように、しっかり作りこんでおくことが大事ですね。
また、一方通行にならないよう、二人の掛け合い方式もいいかもしれないと思いました。

皆さんの様子を見ながら行った後半の実習は、いつもどりできたのではないかと思います。

さて、講演終了後に頂いた質問にお答えします。
●口腔乾燥の患者さんにはどのように対応していますか?

特に変わったことはありません。
・唾液腺マッサージ・健口体操・口腔清掃&US歯ブラシで粘膜マッサージ
・水分補給・ガムやするめ、昆布を噛む・保湿剤湿潤剤・濡れマスク
・院長は漢方薬

●肩甲骨を動かすタオル体操が、唾液分泌に関係していますか?
・私臨床経験から、ゆっくりタオル体操ストレッチすると、
副交感神経が刺激されるからでしょうか、口が潤うという方が多いです。
また、寝返りも打てない方の口腔ケアの前に、全身マッサージをしています。
すると、口腔が潤ってきます。
肩こりの方の、肩井(けいせい)や手三里というツボをじんわり刺激しても、
唾液分泌されると感じています。
学術的エビデンスはありません。あくまで、私の個人的感想です。

●施設では30分くらい歌を歌います。
A4の用紙にコピーして、クリアファイルに入れて参加者に渡しています。
歌詞(1番の歌詞)が欲しい方、パワーポイントでお送りいたします。
コメント欄に送信先をお知らせください。

・ふるさと・青い山脈・リンゴの唄・瀬戸の花嫁・うさぎのダンス
・茶摘み・いつでも夢を・バラが咲いた・あんたがたどこさ・うさぎとかめ
・上を向いて歩こう・365歩のマーチ・幸せなら手をたたこう・ドレミの歌
・ああ人生に涙あり・七つの子・すずめの学校・里の秋・人生の並木道
・北酒場・川の流れのように・サントワマミー

 

 

 

 

日々思うこと リモート講演のおまけ はコメントを受け付けていません

運動発達と口の機能発達から(新医協会)

運動発達と口の機能発達から
– 最近の子どもたちの育ちにくさを考える –
 今、保育の現場では『0歳児からお子さんの育ちが違ってきているのではないか』という疑問をおもちではないでしょうか。
哺乳・離乳・咀嚼など口の機能発達と運動発達から乳幼児の育ちにくさを考えます。
「飲むのに時間がかかる」「うつ伏せを嫌がる」「目が合いにくい」「寝てもすぐに起きてしまう」「表情が乏しい」「離乳食がすすまない」「喃語がでてこない」「ハイハイの形がおかしい」「言葉が遅い」「滑舌が悪い」などなど、良く質問をうけます。
人の基本的な力は、乳幼児期にできるといわれています。特に、歩行までの運動発達(口腔機能発達も含まれます)の過程は、失敗してもくじけず、自分でできることを増やし、成功や達成する体験、インナーマッスルをつくる大切な時期と考えます。幼児期以降も生活をしていく上で、子どもたちの育ちに起こっている育ちにくさを理解して、何が必要で、私たちに何ができるのか、一緒に考えてみませんか。
実技実習にタオルを使います。ご用意ください。

日 時
2022年2月3日(木) 18:30 ~ 20:50
会 場
Zoom
講 師
町村 純子
参加費
新医協会員 2,500円 / 一般 3,500円
定 員
Zoom 100名

申込方法
メール・FAXでお申込後、郵便局備え付の振込用紙で下記口座に参加費をお振込み下さい。
ご入金確認後に受講票(ID,PW)等をお送りいたします。
※コロナ対策によりお時間がかかりますので、締め切り日間近の時は必ず電話での確認をお願いします。
※申込は資料を郵送いたしますので講演日の2週間前(1月20日)で締め切らせていただきます。

郵便振替
00110-4-193012 新日本医師協会東京支部(通信欄に講演名・参加者名を明記)

【Zoom受講にあたりお願い】
私たちは、会場で対面して受講するような環境を目指しています。
●受講中は、「顔を映すこと」と「名前の表記」が必須になります。講義中に一定時間顔が映らない際は、「待機室」に移動しますのでご注意ください。もし端末機器から離れる際は、「チャット」機能で ” 新医協事務局あて” に、その旨を伝えて下さい。匿名参加者を交えては気持ちよく問いかけが出来ません。匿名性が担保されてしまうネット上では、情報の漏洩が簡単になされてしまいますので、規制を強くしていますことご了承下さい。
●本配信の録画・録音は元より、講義資料のコピー厳禁、SNS 等や第三者へのURL 転送、転記は固くお断りいたします。
●当日のキャンセル・不参加による払い戻しはいたしません。

日々思うこと 運動発達と口の機能発達から(新医協会) はコメントを受け付けていません

邂逅 -口腔ケア・カルテの余白―3 (風跡より)

平成24年8月6日

午前中は訪問マッサージを受けている。
昨夜は介護タクシーさんが花火に誘ってくれ、見に行ったそうだ。

平成24年8月11日

オリンピック観戦で生活のリズムが変わっているためか、元気がない。
デイサービスで出された<ういろう>を食べなかったそうだ。
今夜、BSで戦艦大和の番組があるのを楽しみにしているとのこと。

平成25年1月12日

デイサービスで体重測定をすると、1年で3キロ太っていた。ダイエットをしないといけないが、食べさせないのはかわいそうだと奥さんが思案している。

「水師営の会見」を練習して、デイサービスでみんなに披露したいという。水師営は中国の大連の近くにある町の地名で、日露戦争中ロシアのステッセルと乃義希典とが会見をしたところ。Tさんが子どものころは皆、歌って覚えた。

平成25年1月12日

この話をするのが一番楽しいのだと言いながら、北朝鮮の地図を広げて、引き上げの道程を説明してくれる。

平成25年3月13日

「どうして貴方がここに?」

顎骨壊死で病院の緩和ケア病棟に入院していた女性のご主人が、Tさんの横に座ってお茶を飲んでいた。件の女性は一切の延命治療を受けないという選択をし、病院での看護ケアと歯科衛生士による訪問口腔ケアのみを希望され、人生を終えた。

Tさんの奥さんがタクシーに乗ったときの運転手さんとの会話で、口腔ケアが話題になった。運転手さんの奥さんが亡くなるまで口腔ケアをしたのが、本田さんという歯科衛生士だと言われ、Tさんの奥さんはその人が主人の口腔ケアに来ていますと話された。それを聞いた運転手さんが、わざわざ口腔ケアの日に会いに来てくれたのだった。縁は異なものです。

平成25年3月13日

体操をしていると、全身のマッサージや体操が口と何の関係があるのかとTさんが聞いてきた。この2年間ずっと不思議だと思いながらリハビリを受けていたことになる。コミュニケーション不足です。

平成25年4月20日  誕生日

朝から調子が違うと奥さんが心配している。
往診に来てもらっても特に問題はないと言われ一安心したと奥さん。
歯が痛いと指さしてくれたところを歯間ブラシで清掃すると、鶏肉らしきものが挟まっていた。一鶴の親鳥を食べたそうです。いつも食欲に救われる感じ。

北朝鮮時代のお父さんの写真を見せて下さり、話をしてくれるが言葉が聞き取りにくい。姿勢が前傾になる。

平成25年5月18日

5月12日、足が立たず、しゃべれなくなったので往診を受けた。その時、医師からあと2週間くらいかもしれないと言われたと、奥さんが静かに話してくれた。息子さんも駆けつけたが、安定してきたので入院せず様子を見ることになった。

平成25年6月1日から6月25日まで入院

奥さんが1日3回の食事介助に病院へ通っている。食事状況、口腔ケア状態が気になるので、1日おきに夕食時に訪問する。薬が飲みにくそうなので、服薬ゼリーを使う。

平成25年6月28日

退院。

平成25年6月29日

朝、在宅訪問。
食事の負担が大変ですから、おかずは宅配弁当を使う。おかゆは奥さんが作る。

平成25年7月2日

理学療法士の先生が、リハビリとして仏壇の前に連れて行ってくれて、お参りをするそうだ。

平成25年7月23日

「こんにちは」と挨拶すると、目を合わせてくれる。
歯ブラシを見せると、口を開けてくれる。

平成25年8月13日

NHKスペシャル「知られざる脱出劇 ~北朝鮮・引き揚げの真実~」を見たことを話すと、奥さんもそれを見て涙を流したそうだ。

終戦直後に北朝鮮から這々の体で脱出した日本人の記録と証言の数々。引揚者のうち3万5千人が無残な死に方を強いられた映像と、Tさんが話してくれる体験が重なり、その過酷さに改めて胸が締め付けられる。

平成26年3月25日

「歯」と言うとうなずいてくれる。
口腔ケアが「終わりましたよ」と声をかけると「おぁー」という声で返事をしてくれる。
帰りに握手してバイバイと手を振ると、2本の指をわずかに動かして、バイバイに答えてくれる。奥さんはこれを、省エネのごあいさつでと笑う。

平成26年8月6日

水分を取りにくいと奥さんが心配しているので、近所のスパーで粉末ゼラチンを買いに走り、水ゼリーを作る。5g(市販ゼリー1袋)を500㏄の水で作る。

お茶、イオン飲料などでも応用できる。

平成26年8月9日

食事介助のアドバイスをする。
高知の碁石茶をお届けする。

平成26年9月10日

口腔リハビリの指示が良くとおる。
舌をしっかり動かしてくれる。
補聴器を新しいものと取り換えたのでよく聞こえるのかもしれない。
暑い時期の水分摂取は、水ゼリーで助かったそうだ。

平成26年9月22日

口腔ケア終了後、奥さんが碁石茶で作ってくれた茶粥を一緒に食べた。
素朴でおいしい。Tさんの食欲は旺盛。

平成26年9月24日

Tさんは53歳の時自動車の運転免許を取り、それか約20年車に乗ったそうです。
車をぶつけて帰ってきたときには「美人がおって見とれとった」など冗談を言ったとか。

平成26年12月2日

発熱があり内科の往診を受けたが、原因は不明。口腔ケアは、清掃のみ手早く実施。
16:30よりケア担当者会議(ケアマネ・ヘルパー・理学療法士・入浴サービス・トーカイ)

平成26年12月16日

口腔ケアが終わると、「ありがとう」と口を動かし、省エネのバイバイをしてくれた。

平成26年12月20日

痙攣があり労災病院に入院。
口腔ケアは病院の方で実施してくれると奥さんから連絡が入る。
「年が明けたらお伺いします。お大事に。」と返事をする。

平成27年1月13日

84歳にて、ご両親とヤンバーのもとへ旅立たれた。

平成27年5月1日

奥さんからハガキが届く

新緑が爽やかで、はや明日から五月になります。先日は寄ってくださり、ありがとうございました。今はまだ、主人のものに手をつけらず、用意していただいた歯ブラシも、下着やパジャマもそのままになっています。どなたもが同じだとは思いますが、いつも居た人が居なくなるということは、この上なく胸の痛くなるものですね。いつも助けてもらったヘルパーさんやリハビリの先生も来なくなると家の中が、だだっ広くなったような気がします。ことに主人は歯医者の先生が来てくれるのをいつも心待ちにしていました。お世話になり本当にありがとうございました。

 

前略。ご丁寧なお葉書ありがとうございました。こちらこそお世話になりました。

玄関のドアを開けると、墨のにおいがかすかに香り、そっと生けられた季節の茶花が迎えてくれる心和む訪問でした。口腔ケアが終わってからの他愛もない会話は、本当に楽しかったです。何より、Tさんから伺ったヤンバーのお話は、私の人生の宝物となりました。今も目を閉じると、省エネのバイバイをしてくださるTさんの憂いを含んだ笑顔が浮かびます。

ではまた、Tさんにお線香をあげさせていただきたいと思います。

日々思うこと 邂逅 -口腔ケア・カルテの余白―3 (風跡より) はコメントを受け付けていません

邂逅 -口腔ケア・カルテの余白―2 (風跡より)

平成23年9月24日

Tさんの息子さんと私の娘の大学が同じだった。おまけに、サークルも同じコーラス。さらに入部した動機が二人とも、新入生を勧誘するために振る舞われる夕食を1か月食べさせてもらったことだとわかり、大笑いとなった。

Tさんは奥さんが出してくれたわらび餅をパクリと食べ、お茶も上手くすすって飲む。

平成23年10月1日

声をかけても元気がなく、こちらの指示が通らない。体調が悪いのかと心配したのだが、補聴器が外れていただけだった。
食事と入浴は気に入っていると、デイサービスでの様子を話してくれる。

平成23年10月15日

地図帳を見せると、ラバウルの話をしてくれた。
「最近の人は、ラバウルが何処にあるかも知らん。あれはいかんですなー。」
「介護する方は若いので、ニューギニアって言ったら分かるかもしれませんね。」
「デイサービスでは、つまらんビデオばかり見せられるから、私は寝ています。」
「じゃー、ご覧になりたい映画って、何かありますか」
「硫黄島からの手紙、あれはいいです。」
「あれは泣けますね。」
「若い人たちに、戦争の悲劇を教えんといかんです。戦争を忘れたらいかんですなー」
しっかり話をしてくれるが、前日の皮膚科への通院は記憶していない。

平成23年10月22日

「今日は歌の声が大きいし、腕もよく上がりますよ。」と声をかけると、奥さんが「夕べお酒を2合も飲んだんです。」と言う。
「えっ、2合」「そうなんです。岡山のお酒を送って下さったので、味見程度にと思って一杯テーブルに置いていたら、ちょっと油断したすきに一瓶飲んでしまったんです。」
「甘くてうまかった。」
「それで今日は、元気がいいんですね。」
「そうです。お酒は効きます。」と、まじめな顔で答える。

奥さんの思い出話にも花が咲いた。
「Tさんが若い頃、先生仲間が家に遊びに来たときのことです。皆さんでわいわい飲んでいて、ふと気づくと一人いなくなったんです。トイレにもいない。2階の窓から落ちたかと思って窓を開けてみても見つからない。そしたらなんと、姿をくらました人は、お風呂に入っていたんですよ。」

平成23年10月29日

一曲歌ったところで、Tさんの方からおしゃべりを始めた。
「学校帰りに、古本屋に毎日通っていました。そこに、姉妹がおったんです」
「かわいい子ですか」
奥さんがすかさず「本ではなく、女の子目当てだったんでしょ。」
「そうです。」
「で、声をかけたことあるんですか。」
「いや、一度もありません」
「そして?」
「二人とも嫁に行きました。」

平成23年11月12日

唇の力と肺活量をつけるために、笛とかハーモニカを吹いてみませんかとTさんに提案したら、「ハーモニカをよく吹いていました」と言う。
奥様が、ありますよと、奥からハーモニカを持ってきてくれたが、今のTさんの力では音が出なかった。
「ハーモニカはいつ頃吹いていたんですか。」
「下宿時代、部屋で一人吹いていました。下宿していた大家さんに娘さんがおりました。」
「また思い出の女性ですね。」
「好きでした。」
奥さんは笑いながら「あら、聞いたことないわ、その話」
「素敵な思い出はありますか」
「嫁に行きました」と言って、Tさんは泣き出してしまった。

落ち着いたところで話を聞いてみると、そのお嬢さんに思いを伝えるために、毎日ハーモニカを吹きづけていたということでした。しかしその思いは伝わることなく、言葉を交わすこともなく、どこかへ嫁がれたとのことでした。

平成24年1月21日

「お正月にお餅を食べたがったんですが、私一人の時に詰まらしたら怖いんで、食べさせていないんです。横で私が食べるのもかわいそうなんで、今年はお餅なしです。」と奥さん。
「じゃー、今日食べますか?」と提案すると、奥さんが待ってましたというように、ぜんざいを出してくれた。
食べ終わった後Tさんが神妙な顔をして、
「私ね、北朝鮮に行かんといかんのです。」と言うのだが、私にはその意味が全く理解できなかった。

平成24年1月28日~4月21日

北朝鮮での体験を語ってと欲しいと思い、朝鮮半島の地図を用意して、一緒に記憶を辿ることにした。
ここです、「せいしん」と言いながら指をさしてくれたのは、清津(チョンジン)。
日本人は「せいしん」と呼んでいたらしい。
「せいしんは、軍事施設があったところですね。」
「そうです。」

Tさんは、昭和7年4月20日に清津で生まれ、旧制中学まで清津で暮らしたそうだ。
「私の父親は、キバジュンサだったんです。」
「えっ、キバジュンサ?」
「そうです、馬に乗っている、警察です。」
「あー、騎馬巡査。なるほど。」
「学校では、日本人の巡査の子だとわかったら、いじめられてましたなぁ。
騎馬巡査は、家で馬を飼っているんで、私も馬の世話をしてました。何回か、落馬しましたなー。」

「小学校の担任の先生に<おっちょこ>と呼ばれました。」
「先生があだ名をつけたんですか。」
「私は、おっちょこちょいなところがあったんですなー。」
「だから、そう言われても、それは仕方がないが、卒業式の時も<おっちょこ>と呼ばれたんです。それは、腹が立ちました。」
「卒業証書を渡しながら?」
「そうです。」

「私、中学校の英語の先生を<コレポン>と、呼んでました。」
「コレポン?日本人の先生ですか?」
「日本人の先生ですが、すぐに頭を『これっ』と怒って叩くんです。」
「それで<コレポン>ですか。」
「<コレポン>と呼ぶだけでは、気持ちが収まらんかったんで、テストを白紙で出しました。」

「ウラジオストックからソ連兵が北朝鮮に侵入してきました。そこから逃げるために、父親と別れて、家族は白頭山を経由して、南に向かって歩き、平城(ピョンソン)に行きました。そこで、三か月過ごしましたなー。

私は日本人の女の子にいじめられました。」
「Tさんが、ですか?」
「そうです。そしたら、姉がその子のところへ、訴えにいきました。」
「お姉さん、強いですね。」
「私より、強かったですなぁー。」

「それからさらに、南のカンコウに向かいました。
駅の広場にいたら、父親が私たちを見つけてくれた。」
「よかったですね、家族が再会できて。」
「驚きました。どうなるかと思っていましたけど、本当によかったです。
カンコウはものすごく寒かった。
あー、どじょうを食いました。温たまるんです。」
「カンコウの日本人世話人会の連絡係をやりました。」
「中学生が何をするんです?」
「遊郭に行くんです?」
「えっ、遊郭?」
「カンコウに遊郭が8件ありました。
<すずらん>という遊郭では、食事をしておりましたな。
あぁー<ゆらのすけ>という名前も思い出しました。」
「で、連絡係の仕事の内容は?」
「みんなで遊郭に分かれて隠れていました。そこへ配給があることを伝えに行くんです。
大人が動くと目立つんで、子どもの私が連絡係をやってました。」

「カンコウから、見つからないように山を通って国境を目指したんです。
やっとのことで38度線を越えようとしたとき、北朝鮮の人につかまり『お前たち日本人は、北朝鮮人をいじめたんで、ここで農作業をしないと通さんぞ』と言われた。ダメかと思ったんですが、ヤンバーに救われた。」
「ヤンバーって?」
「ヤンバーというのは、男の老人で髪の長い人のことです。」
「ヤンバーが『同じ人間としてこの人たちは国境線を超えようとしているんじゃないか、逃がしてやれー』と言ってくれたんです。朝鮮は、年寄りの言うことをきくんですなぁー。
若いもんたちは、逃がしてくれました。」

息の詰まるような話が続く。

Tさんは再び「ヤンバーが『同じ人間としてこの人たちは国境線を超えようとしているんじゃないか、逃がしてやれー』と言ってくれたんです。」と声を震わせてた。
「私はヤンバーにお礼を言いたい。お礼を言わんといかんのです。一緒に北朝鮮に行ってください。」
しばらく私には返す言葉がなかった。
「ヤンバーに出会えてなかったら、私たちも今こうして話をすることもなかったですね。」
「縁ですなー。」

「国境線を超えると、アメリカ軍がジープでソウルへ運んでくれた。」
「アメリカ軍が・・・」
「敵国だと思っていましたが、助けてくれました。
そして、鉄道に乗ってプサンに行きました。プサンで新しい2千円をもらって、それを足に巻いて船に乗り日本へ帰りました。着いたのは、博多でした。四国に向かう途中、汽車の窓から広島を見ました。広島は本当に大変なことになっていました。今でも、臭いを覚えています。」

平成24年5月26日

口腔ケアの後「トラジ」を一緒に歌いましょうと、Tさんが誘ってくれる。
歌ったあと、念願の志々島に行くことができ、大変楽しかったと話してくれる。
島で食べていた茶粥についても思い出を語ってくれる。高知県で作られる碁石茶というお茶で焚くそうで、島の水道には少し塩気があり、それが絶妙な味に仕上がるそうだ。
島は貧しかったが、人が来たら茶粥でも食べていかんなと、振る舞うそうだった。
何人来ても、お茶を増やすので大丈夫なんですよと奥さんが話してくれた。

 

 

日々思うこと 邂逅 -口腔ケア・カルテの余白―2 (風跡より) はコメントを受け付けていません

邂逅 -口腔ケア・カルテの余白―1 (風跡より)

同人誌 『風跡』第42号 2016年 に投稿した、
訪問口腔ケアの記録です。
3回に分けてご紹介します。

「私ね、北朝鮮に行かんといかんのです。」
「えっ、北朝鮮に?」
「そうです。お礼を言わんといかんので、一緒に行って欲しいんです。」
そう言うと、Tさんの目から涙が零れた。

昭和7生まれのTさんは、脳梗塞に襲われ後遺症で麻痺が残った。往診をした歯科医師から、Tさんの口腔ケアをして欲しいという依頼があり、Tさんとの二人三脚の口腔ケアが始まった。歯科衛生士としてTさんの口腔ケアを実施した後、業務記録を書くのだが、その時々の生活状況や会話も記す。3年9か月にわたる週一回の口腔ケアの記録を読み返すと、感慨深いものがある。

平成23年3月29日

Tさんのお宅は、車で対向できない路地の奥まったところにあり、手入れされた庭のある落ち着いた佇まいであった。初めて訪問すると、奥さんが明るい声で迎えてくれた。南向きの明るい部屋で、Tさんは車椅子に座っていた。壁面には大きなテレビ、反対側にはベッドが置かれている。テレビの横の額に、ゴールデンレトリバーと一緒に写ったTさんの写真が飾られていた。

Tさんにお話を伺っても返答はなく、奥さんが代わりに答えてくれた。週2回のデイサービスを利用し、あとは家ですべて奥さんが介護していた。息子さんは二人いて、それぞれ家庭をもち独立している。

歯科医師から、身体の残存機能を保持するために、なるべくTさん自身に歯磨きをしてもらい、その後、専門的口腔ケアをするようにとの指示があったので、とりあえずTさんに歯ブラシを渡した。すると15秒ほど歯を磨いて、歯ブラシをテーブルに置いた。続いて私が、口腔粘膜ブラシ、歯ブラシ2本、歯間ブラシ2本を使って口腔内全体を清掃マッサージし、虫歯予防用のフッ素ジェルを歯に塗布した。

平成23年4月2日

前回同様に口腔清掃を行った後、口腔機能訓練をする。と言っても口腔だけではなく、全身へのケアがそれに先立つ。リンパの流れをよくするように全身をマッサージした後、足、手、腕、首顔,唇、舌と順にストレッチしつつ動かす。Tさんに口腔の筋肉は全身につながっているということを説明する。

平成23年4月9日

3回目の訪問。奥さんが、壁に掛けてあった写真について話をしてくれた。

「これは往診に来てくれている内科の先生が、ヨットから撮影した志々島の写真なんです。赤い鳥居の後ろにあるのが主人の実家です。」

「Tさんは、志々島で育ったんですね」

「北朝鮮から引き揚げてきた後、志々島で暮らしていたんです。」

奥さんと話をしていると、Tさんが何かを訴えてきた。なかなか聞き取れなかったが、「私は丸亀高校に入ったとき、560人中27番の成績だった。」と言いたかったのだ。

初めてTさん自ら語ってくれた「560人中27番」は、人生において大変印象に残る出来事だったのだろう。

平成23年4月16日

歯磨きが終わってマッサージをしているとTさんは、「私ね、京大に行きたかったんです。」と話しかけてきた。「私は教科書を全部覚えたから行けると思っていました、そしたら、友達は参考書も勉強していて、そうじゃなきゃ受からんのでした。そのことを私は知らなかった。知っていても、家が貧乏でしたから、参考書は買えなかったと思いますが。」と、悔しいような寂しいような表情でしゃべってくれた。

奥さんによると、Tさんは香川大学に行って体育の先生になったとのこと。

平成23年4月23日 

Tさんに口腔機能の訓練として、歌を歌うことを提案した。
すると、「私、歌、聞くんですが、歌えません。」とTさんが言う。
「軍歌はいかがですか。長らく歌ってなくても、皆さん案外覚えていますよ。」
しばらく考えて「ラバウル小唄は、好きです」と答えてくれたので、一緒に1番を歌う。
「そうだ、北朝鮮でいらしたから、アリランはご存知ですよね?」
「知っています。曲は覚えていますが、歌詞は忘れました」
「アリラン アリラン アラリヨ アリラン峠を越えて行く・・・思い出しました?」
Tさんは「朝鮮語じゃない」と言って困ったような顔をする。
Tさんが慣れ親しんだアリランは、朝鮮語だった。

奥さんに食事の様子を聞くと、一食を食べるのに1時間ほどかかり、水分を飲むときは一口量が多くなるとむせると教えてくれた。食事の介護だけでも大変な負担である。

平成23年5月7日

「ラバウル小唄」と、You Tubeから流れるハングルの「アリラン」をカタカナに起こして作った歌詞カードを持って行く。Tさんはその歌詞を見ながら、とてもゆっくりアリランを歌って、しみじみと「懐かしいですなぁー」と言う。

奥さんが、善通寺体育館横の池に咲いたつつじを見に行った写真を見せてくれた。介護タクシーの運転手さんが、通院の送迎時に気を利かせて花見をさせてくれたのだった。

「花見ができてよかったですね。」

「志々島に行ってみたい。息吹島にも行きたいです。」とTさんが話しだす。

平成23年5月14日

6月5日に、志々島行きが決定した。

リハビリの体操中「もっとしっかり手を上げてください。元気出して志々島に行かなくっちゃ」と声をかけるとTさんは「もう、体操はやりつくしました」と言う。「そっか、体育の先生でしたね。」と私は苦笑した。

持参した四国の地図を広げると、ここが志々ですと説明してくれる。お父さんの仕事関係でお世話になっている方が息吹にいるので、そこも訪れたい。しまなみ海道へもいいでしょぉなー」と、楽しみが広がった。

平成23年6月4日

体調を崩し、志々島に行く前日に入院となる。残念。

平成23年6月25日

退院され、口腔ケア再開。

5月に比べて、語りかけに対する反応が落ちている。声は小さいが「ラバウル小唄」と「アリラン」は歌ってくれた。

足の爪が白くなっているので、皮膚科に行った方がいいと奥さんに伝える。

平成23年7月2日

「アリラン」とともに二大朝鮮民である「トラジ」を歌詞カードにして見せる。何度か歌っているうちに、Tさんの記憶が蘇がえってきた。そして、「トラジ」の云われを教えてくれた。

「桔梗の根っこを取るときに、娘たちが歌う歌です。」
「花ではなく、根っこを取るんですか。」
「キムチに入れます。北のキムチは、桔梗が入っているからうまいんです。」
「南とは違うんですか?」
「南の方は塩辛く唐辛子もきつい。」
「どうしてでしょう?」
「気候が違うから、防腐剤の意味があるんでしょうなぁー」
「私の母親が作るキムチは、実にうまかったです」
その話を聞いて奥さんが「お義母さんのキムチは、本当に美味しかったんですよ。エビとかも入れて,毎年漬けていましてね」
「母親のキムチが一番うまいんです」と、Tさんは得意げに話してくれた。

平成23年8月6日

「今日は、歌を歌いたくないです。」と言うので、「いやなことはしなくていいですよ。」と返答する。Tさんは「自慢話をしてもいいですか・・・」と尋ねてくる。

「もちろんです。聞かせて下さい。」と言うと、いつも話してくれる560人中の27番の成績について話してくれた。

「高校の先生が、お前はせっかく生きて帰ってきたんだから、しっかり働けと言われたんで、私は学校行く前に父親が採ったボラを船で運んで売っていました。」
「志々島から船で学校へ行っていたんですか」
「そうです。島から10㎞、伝馬船を漕いで通学しました。」
「冬とか、雨とかは特に大変でしたでしょう」
「しんどいです。しかし力が強くなったので、体操ができるようになりました」
「体操?」
「そうです。高校も大学でも体操部のキャプテンでした」
奥さんが天草で作ってくれた寒天を食べながら、Tさんの武勇伝を聞く。

平成23年8月20日

歌ったあと、突然「北朝鮮でいるとき、父親は警察だった。」
「小学生の時、栄養源として濁酒を飲んでいた。」「魚を捌くことができる」など、昔のことを思い出して、ぽつぽつ語ってくれる。

平成23年9月10日

奥さんから「昨日病院に行ったら検査結果が良かったので、帰りに食堂で、お蕎麦とあんパンを食べたんですよ。」との報告があった。Tさんは、病院に行ったことは覚えているが、食堂に行ったことは忘れていた。

平成23年9月17日

こんにちはと挨拶すると、すぐにTさんが「お願いします」と声をかけてくれた。

デイサービスのカラオケ大会で、Tさんはラバウル小唄を披露したそうだ。

それをきっかけに、歌のレパートリーが増えていった。同期の桜、よさこい節、五木の子守歌、リンゴの唄、荒城の月、ふるさと。声が大きくなり、歌詞も聞き取りやすくなってきた。なによりリズムが良くなった。

日々思うこと 邂逅 -口腔ケア・カルテの余白―1 (風跡より) はコメントを受け付けていません

高齢者歯科保健のセミナーの準備6

研修会用のパワーポイントをおおよそ作りました。

1.高齢者全体に関する歯科保健
2 .要介護高齢者に対する口腔(の)ケア
口腔清掃
口腔機能維持向上
摂食・嚥下支援
3 .認知症の方への歯科衛生士としての支援

上記の3点に関するお話となれば、どれをとっても2時間は必要です。
簡単にお引き受けしたものの、6時間分の内容をどう2時間にするか、
とても悩むところです。

口腔ケアにしても、摂食嚥下にしても、昔と違いYou Tyubeで
かなりの内容が学べます。
今回はYou Tubeで学べるとことは省こうかと思います。

これからの歯科衛生士さんに学んでほしいのは、口腔の機能。

アナトミートレインという考え方があります。
筋肉は、筋膜に包まれ繋がりあい、関係しあっているというもの。
ですから、口だけではなく、繋がり全体も視野に入れて学んでいくことが大切でしょう。

アナトミートレインには、いくつかの繋がりのラインがあります。
その中で。、特に口と関わりが深いと思われるのがデイイプフロントライン。

 

「あいうべ体操」の今井先生が、「足のば体操」をセットで
指導されているのもここに理由があると私は思っています。

「あいうべ体操」をしても、舌位が簡単に変わらなくなっている学生さんが増えました。
その学生さんに足、脚、骨盤、横隔膜、肩甲骨周り、首などにアプローチしてから
「あいうべ体操」をしてもらうと、改善されます。

離乳食の指導でも、口への関わりだけではいということが常識になってきました。
そこをしっかり教えて頂いたのは(今も修行中)、群馬県のゆう地域支援事業団代表の
町村純子先生です。

筋肉については、キネジオロジーテープを張って学んでいきます。

顔だけではなく、全身なんです(笑)

「まーいいんじゃない」なんて顔していらしゃるのが、町村純子師匠。

町村先生は全国で歯科医師、歯科衛生士にも
身体調和支援の指導を行っています。
私は「身体調和支援体操アドバイザーB級」「USマスタートレーナー」の
資格を取っています。

 

日々思うこと 高齢者歯科保健のセミナーの準備6 はコメントを受け付けていません

丸茂義二先生特別講座

丸茂義二先生の大阪セミナー申し込みました。

今一番興味のあるテーマで、前回の大阪セミナーも
難しいが、大変勉強になりました。
どれほど理解できているかはわかりませんが・・・

小児歯科の問題というのは勿論、
自分自身や家族の為にも、
呼吸を学ぶことは重要だと思います。

きちんと呼吸できている人は、本当に少ないのでは・・・

『小児歯科臨床』 2020年 4月号  65p~71p
歯突起をめぐる諸問題 1,歯突起以上と学位

興味のある方はご覧ください。

 

日々思うこと 丸茂義二先生特別講座 はコメントを受け付けていません

高齢者歯科保健のセミナーの準備5

高齢者歯科保健の研修会の依頼を受け、ただいま準備をしています。

これに関して興味を持たれた方へ、本を紹介するなら何だろうか?!
の第3弾

『なぜ、「黒岩恭子の口腔ケア&口腔リハビリは」食べられる口になるのか』
北村清一郎 編著   デンタルダイヤモンド社 5,000円

『黒岩恭子の口腔ケア&口腔リハビリ』
黒岩恭子著 デンタルダイヤモンド社 3,000円

黒岩先生の口腔ケアは、歯科医師(歯科衛生士の言い訳<苦笑>)の
解剖生理学の知識の確かさと、徹底的に患者さんに向かう経験から
導かれたものだということが、本当によーくわかります。

先生の講演は有名な加藤塾の時代から、何度も拝聴させて頂いていました。
分かりやすく楽しいだけに、深さを受け取ることができていなかったと
反省しつつ、講演準備を機に読み返しました。

hocl  ホックル【holistic oral care laboratory】

ホリスティック(Holistic)という言葉は、ギリシャ語で「全体性」を意味する「ホロス(holos)」を語源としています。 そこから派生した言葉には、whole(全体)、heal(癒す)、health(健康)、holy(聖なる)…などがあり、健康-health-という言葉自体が、もともと「全体」に根ざしています。

歯科衛生士さんのお困り事や悩み事を、解決に向けて一緒に考えていくという支援を
しています。

難しい専門用語をやさしく、やさしい言葉の深さを伝えることを目指しています。

などと掲げて勉強会&サイトを立ち上げて10年、いったい自分は何をしていたんだろうと
落ち込んでいます。

 

日々思うこと 高齢者歯科保健のセミナーの準備5 はコメントを受け付けていません

高齢者歯科保健のセミナーの準備4

訪問口腔ケアで私が最もお世話になった本は、
高江州 義矩監修  北原稔 白田チヨ編集
「実践訪問口腔ケア 上巻 下巻」
クインテッセンス出版(株) 4,200円 4,600円

1999年の出版ですが、訪問で困ったどうするということについては
まず、掲載されています。
初めて訪問に出ようと思う方にはお勧めです。

訪問の本は最近買っていませんので、
もっといい本があるという方、教えてください。

付録の<ケース検討要約票><訪問口腔ケア指導記録票>なども
しっかり活用させて頂きました。

 

別所和久監修 奥田聖介 武井典子編著
「口腔機能の維持・向上による全身状態改善のための
オーラルケア・マネジメント実践マニュアル
病院・施設・在宅における他職種協働を目指して」
医歯薬出版(株)  2,800円

日本歯科衛生士会 監修
「歯科衛生士のための口腔機能管理マニュアル 高齢者編」
医歯薬出版(株)  3,700円

歯科衛生士の口腔ケアは各現場のよって、求められるものが変わります。
これらの本は様々な立場での実践例が紹介されているので、参考になります。

日々思うこと 高齢者歯科保健のセミナーの準備4 はコメントを受け付けていません