歯垢は水にとけない

3年生の「口腔保健管理」の授業をしています。
その中で、養護教諭の先生の勉強会からの依頼を想定した実習をしています。
虫歯、歯周疾患について生徒に教える養護の先生に、専門的知識を分かりやすく
伝える練習です。

学生さんには順番に教壇に立って、クラスメイトに、歯垢(虫歯菌のウンチ)について、
専門的に説明してもらいます。
皆さん、H13年1月28日<更新しています>のブログをみて、
虫歯の成り立ちについて予習し、媒体を作って準備をしています。
そんな学生さんから質問がありました。

ブログの、次のところがわからないということです。

 

ショ糖(スクロース・砂糖)ブドウ糖(グルコース)果糖(フルクトース)

     ブドウ糖 ⇒<G Tase>⇒ グルカン   → デキストラン(α-1,6結合 )

                                          ムタンα-1,6 結合+α-1,3 結合)

   

    果糖 ⇒<F Tase>⇒ フルクタン → レバン型(β-2.6結合)

                                     → イヌリン型β-2.1結合

7) ミュータンス菌が作った、グルカンやフルクタンという粘着性の菌体外多糖類
 そこに集まって来た多くの細菌が絡まって出来た、バイオフィルム歯垢(プラーク)です。

『生化学』の教科書(医歯薬出版・歯科衛生士教本) P94~P97によると

デキストランは、水溶性のグルカン
ムタンは、不溶性のグルカン
レバン型フルクタンは、水溶性
イヌリン型フルクタンは、水溶性と不溶性がある

と書かれています。
しかし、虫歯の原因について書かれた本によると、単に<不溶性グルカン>とか、
デキストランがバイオフィルムを作るとか・・・表現が様々でよくわからない。

菌体外多糖類って言われるけど、これはムタンだけのこと?????
歯垢は、水に溶けるの????

ごもっともな疑問ですね。
私の理解を記しておきます。

(G Tase)グルコシルトランスフェラーゼは、
                                              ブドウ糖(グルコース)グルカンにする酵素

この、(G Tase)グルコシルトランスフェラーゼだけをとってもいくつか種類があり、
グルカンの形成もここに書いたよりずーっと、複雑です。

また、ミュータンス菌はデキストラナーゼなんていう酵素をだして、デキストランを分解するなど、これまた複雑。
詳しく知りたい方は、図書館で『新・う蝕の科学』を読んでみましょう。

で、私の授業の範囲では

デキストランは、水溶性のグルカン
ムタンは、不溶性のグルカン
レバン型フルクタンは、水溶性
イヌリン型フルクタンは、水溶性と不溶性がある

これらは、絡まり合ってバイオフィルムを形成しており、
全体として不溶性の菌体外多糖類と理解して理解して下さい。
ですから、歯垢は水に溶けないのです。
うがいでは除去できないのです。

 

DSC02060

バイオフィルムは、私のイメージではこのアート。
構成要素には、水溶性・不溶性のものがありますが、全体としては溶けない。

 

 

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