「もう死にたい」と言われたら

訪問しているとき、患者さんから「もう死にたい」とか
「長生きは地獄や」などという言葉を投げかけられることがある。

若いころの私は、理由をこじつけてそんなことはないと言い返していた。
返答に困って、聞こえないふりをしたこともある。つまり無視をしたのだ。

今日の訪問でも、90歳近い女性から「もう死にたい」と言われた。

「そう、死にたいと思ってるんや」

「そうやー」

「死にたいと思うようことがあったんやね。」

「そうやー」

「それは辛いなー」

「失敗したんや・・・」

「失敗したん?お尻の失敗?」

「そりゃ死にたいくらい辛いなー」

「情けないわー」

「年取るんも大変やなー」

「大変やでー、なってみなわからんわー」

「そうやな、私も分かるときが来るかなー
 分かるときまで長生きできんかったら、それも残念やけどなー」

「失敗したら迷惑かけるんでなー」

「失敗して、施設の人にお世話かけるんが辛いんやなー」

「そうやー」

「そや、お下の失敗やから、そのことトイレに流そう」そう言ってトイレを流した。

「もう、失敗は流れたで!!」と言ったら患者さんは、

ゲラゲラ笑った

その笑いに救われた。

なぜ今日はこんな会話ができたのか???

午前中は雪が積もり、車を出せず仕事に行けなかった。

そこで、神田松之亟の講談を聞いていたからかもしれない。

仕事に、息抜きとか、遊びとか、笑いとか大事ね、きっと!!


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