「虫歯から始まる全身の病気・隠されてきた『歯原病』の実態」片山恒夫監修・恒志会訳

今年度の仕事を終え、やっと落ち着いて本が読める時間に恵まれる。
と言ってもつかの間でしょうが。今日は、積読していた本を開きました。
ジョージ・・マイニー著 片山恒夫監修 恒志会訳 農文協 1800円
一般の人に書かれたもので、読みやすい本でした

これは、『食生活と身体の退化』の著者であるプライス博士の研究によって、1923年に25年にも及ぶ研究によって発表された「病巣感染」を、ジョージ・E・マイニーが検証し1993年に米国で出版した本です。
『食生活と身体の退化』を訳した片山先生が、監修なさっています。

虫歯から始まる全身の病気

面白かった!!

 

 根管治療において、機械的、薬剤などで科学的に根管を無菌状態にしても、象牙細管の中に潜んだ細菌を死滅させることはできないようです。なんと、象牙細管は前歯でも総延長で約4.8kmもあるそうです。レントゲン写真で問題ないように見えても、象牙細管の中に細菌が隠れ住んでいるのです。その細菌の出す毒素が血流によって体内に遊離拡散し、口腔から離れた身体組織に影響をおよぼすのが「病巣感染」です。

「口腔衛生」や「病理」の時間に聞いたね。

プライス博士は80年以上前に、治療が困難とされた病気の患者の根管治療された歯を抜歯して、多くの患者の病気を治してきました。そして抜歯された歯から毒素を取り出して実験動物に注射すると、その歯の持ち主と同じ病気が動物にも発症することを確かめています。 プライス博士が発見した、感染した歯と関連する病気は、関節炎、リウマチ、心臓病、腎臓、肝臓、胆嚢などの問題、首・背中・肩の凝り、眼、耳、皮膚、帯状疱疹、貧血、肺炎、虫垂炎、神経炎、神経痛、神経系障害、動脈硬化、慢性頭痛・・・・・中でも心臓が最も侵されやすいということだ。

「病巣感染」も興味深いが、歯科衛生士として面白かったのは、患者の免疫力が高ければ「病巣感染」にならないという事実。免疫力が落ちる原因は、不適切な食生活とともに、大災害、インフルエンザ、失業、などのストレスがある。したがって歯科衛生士が患者さんの健康をサポートするためには、食生活、ストレスコントロールなど、生活全体を見なければならないということでしょう。

「米国の全疾患の3分の1は、直接的にしろ、間接的にしろ、歯の感染にその原因があるという事実を知ると、歯科治療の重要性を再認識し、歯科医が自らの責任を再検討しなければならない。退行性疾患全体の3分の1以下は以下のことで防ぐことができるというプライス博士の主張を、我々は今こそ真剣に考えなければならない。
1)正しい栄養と咀嚼
2)正しい予防活動
3)正しい歯科治療手順」 p212-p213
この1)と2)は、私たち歯科衛生士に対する言葉であろう。
プライス博士は、フッ素による虫歯予防を推奨していない。食を含めた生活習慣の改善である。

次の、ドイツの哲学者アルトゥール・ショウペンハウアーの言葉も心に残りました。

「真実というものは三つの段階を通る。最初は馬鹿にされる。次に猛反対に遭う。そして最後に自明の理として受け入れられる。」

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