『いまも、君を想う』川本三郎著

今年の夏は、朝一番に飲んでいた珈琲が、紅茶やハーブティーに変わりました。
今日は、ミントティーを飲んでいます。
ちょっと気に入った、ティ-ポットとカップを買ったせいかもしれませんし、
身体が弱ったせいかもしれませんが、前者の方ということにしておきます。

ミントティー

昨年作ったミントティー

さて、お盆に文芸・映画評論家の川本三郎の『いまも、君を想う』を読みました。
7歳年下の奥様が食道癌で、57歳の若さで逝ってしまった、その追想記です。
奥さんの恵子さんは昭和26年生まれ、私より7歳年上。
生前はファッション評論家としても活躍をされていたそうです。
恵子さんのことはまったく知りませんが、向田邦子と重なる雰囲気を感じました。
凛と生きた人柄も、気持ちよく伝わってきました。

普通の言葉で日常を語りながら、その奥を行間から漂わせる・・・
たわいもない日常が大切だということが伝わってきます。
当たり前の日々が、逆光によって輝きを放っているって言ったらいいのでしょうか・・
食事やファッションについての会話に、お二人の愛情に溢れた関係が現われています。

闘病・介護の様子は、川本さん夫妻らしい最後だったともいます。
芹沢俊介さんの本に出てくる、小児精神科医のウイニコットが使う 
<グッド・イナフ>だったのではないでしょうか。
介護・看護の善し悪しは、
病院とか、在宅というより、どんな病院のどんな看護師、どんな訪問看護師が
ケアに当たるのかが問われるのだと思います。

そして、ケアするのが、家族であろうが、専門職であろうが、
芹沢さんの言う、母性としての<受けとめる>存在がいることが大切なのでしょうね。
ケアの問題で、私が一番気になるところ、問題視するところは、やはりそこです。

それから、儀式(形式)の大切さということも、再認識しました。
また、詩を読むことの意味も。
この本を読みながら、昨年末に亡くなった患者のMさんを思い出しました。
ご主人が最後まで献身的に付き添っていらっしゃいました。
今年が初盆なのですね。
ターミナルケアとしての口腔ケアを担っている皆さん、
少し、患者さんの気持ちに触れることができるかもしれません。

また、家族と自分の最後を考えるきっかけとして、
この本は得るところが沢山ありました。
言い換えれば、どのように日々を過ごすかということですね。
本

新潮社 1200円

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