摂食嚥下訓練を行っている患者のAさん(3)

Aさんに関わって最初に感じたのは、視線があっても
次の瞬間には、Aさんの心がどこかに行ってしまうこと。
何を見るでもなく、視線が集中しない。

娘さんが、ソックスをはかせるとき、何度も足をつついて
「足あげて、足あげて」と言っている。
一瞬、足に意識が行くが、またすぐ、心がどこかに行ってしまう。

摂食嚥下訓練においても、集中力が必要である。

どうしよう・・・・?!?

そこで、これを試してみることにした。

朝井3

マニキュアです

写真は、マニキュアが乾くのをじっと待っているところ。
ベースを塗り、トップを塗る間、5~10分かかるのですが
Aさんは、じっと指先に集中し、爪を見つめていました。
塗り終わっても、度々爪をまじまじと眺めます。

Aさんの部屋には、アクセサリーがたくさんあり、
きっとおしゃれな方だったのだと思いましたので試してみました。
やっぱり、女性だね。

集中力は、あります。
興味がないことには集中しにくいのですね。

    我が家の息子が小学校の担任の先生から言われたことを思い出します。
    「ボートっして集中力がないから、忘れ物が多くお勉強ができない」
    きっと、息子は学校の授業(国語や算数)に興味が持てなかったのでしょう。
    遊ぶときの集中力は、親が呼んでも気づかないほどでしたから・・・

 

口腔ケア終了後には、口紅を塗ります。
娘さんの口紅を差し出すと、目が泳ぎます。
しかし、Aさんが使っていた口紅を見せるとしっかり目で捉えます。
そっと唇に近付けると、唇をスッと横に緊張させ(お見事!)

「その色が好きなのよ、塗って頂戴」という声が聞こえてきます。

摂食嚥下訓練(認知期)に、お化粧は有効ですね。

化粧ポーチに口紅を片付け、ファスナーを閉じてもらう。
初めはなかなかしてもらえなかった。
これも、Aさんができないのではなく、私がAさんに要求したやり方が
かつてAさんがやっていたスタイルとは違っていたのです。
ポーチのどこに口紅をどの様に入れるということを、Aさんはきちんと決めていたのです。
何度か口紅の片づけのやり取りをして、
どうすればAさんが片付けをする手伝いができるかわかりました。
スムーズにポーチに片づけができなかったのはAさんの問題ではなく、
むしろ私の問題でした。<トホホ>
私の仕事の仕方をAさんが教えてくれたのです。

こうして、援助者は患者さんに育てられるのです。
  <ナイチンゲールは、こういうことも『看護覚え書』のなかで書いています>

娘さんとの会話から、Aさんの血液型は几帳面なA型と判明。
私は、アバウトなO型。
なかなか二人がかみ合わなかったのは、
私の能力のなさでななく、O型という血液型のせい・・・と言うことにしておこう。
仕事で落ち込まない秘訣です。<笑>

 



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