MFTと矯正歯科における歯科衛生士の役割

今日2012.7.22(日)香川県歯科衛生士会主催の研修会に参加しました。
<MFTと矯正歯科における歯科衛生士の役割>と題する
いまじょう矯正歯科クリニックの今城広治先生のお話でした。

MFTとは、Oral Myofunctional Therapyの略です。
Myo(筋)の「M」、Functional(機能)の「F」、Therapy(療法)の「T」でMFT。
口腔筋機能療法のことで、「口の周りの筋肉の機能を改善する訓練法」です。
個々の筋肉のトレーニングに加え、咀嚼・嚥下の訓練を行い、舌と口唇の正しい安静位を得ることによって、歯列に対する筋圧のバランスを整えます。
その結果、歯列は正常な形態を維持することができるのです。

今城先生

今城先生ご推薦の
『お口でこんな動きできるかな? 口の適応力向上トレーニング』

私がMFTを知ったのは、デンタルハイジーン1998年11月号~1999年2月号
特別企画 <MFTがおもしろい!> でした。
それによると、MFTは主に米国において1950年代より発展を遂げたそうです。
そして、1972年にMFTの国際学会であるIAOM(International Association of Orofacial Myology)が米国で設立され、日本では、日本口腔筋機能療法研究会(MFT研究会)が2002年に設立されています。

さて、このような研修会は矯正歯科に関わるDHだけに関係するものでしょうか?

NO!

今城先生が発表して下さった症例を見ると、正常な口腔育成の重要性がよく理解できます。
子どもたちが健康な口腔を獲得するために、歯科衛生士がどのような支援をすればよいかが分かります。MFTを受けなくてよい口腔のために必要なことして、今城先生は
鼻呼吸・母乳育児の重要性・正しい離乳食摂取を挙げています。
私も、今この点が重要だと感じ、歯科衛生士の読者会を始めました。
   (詳しくは7月8日のブログをご覧ください)
   次回の『口腔の成育をはかる』第2回の読書会は、
   8月12日(日)13:00~16:00 善通寺のゴールドピア
   参加費はコーヒー代500円です。12ページから読みます。

勉強するほど、日常生活すべてが、口腔筋機能療法と関わっていると感じます。
姿勢・呼吸の仕方・立ち振る舞い・食事の仕方・しゃべり方・・・いわゆる
私たち歯科衛生は、お母さん・おばあちゃんが昔うるさく言ってきたを、
口腔筋機能療法として指導することが求められていると思います。

これは、大人にとっては、若々しく健康な顔や身体につながり、
高齢者にとっては、口腔機能向上であり、義歯の安定にも関係します。

こんなお子さん患者さんはいませんか

●ポカーンと口を開けていることが多い・・・!?
●言葉がはっきりしないわ! (舌足らずのような話し方・・)
●なんだかクチャクチャ音を立てて食べている・・・!
●歯の間から舌が出ている
●隙間があってうまく噛み合っていない
●出っ歯になってきている
●うけ口になったかも・・・

また、次のような状態も口腔筋機能療法の効果が期待できるかもしれません。

●舌に歯型(歯痕)がついている。ひりひりと痛い。
●舌がいつも、下の歯の内側にある。
●前歯がすり減ってきた。
●冠がはずれやすい。
●顎がカクカク・カックン、又はジャリッと音がする。
●口が開きずらくなった。
●顎に梅干状がみられる。

口腔筋機能療法が必要な方(最近の学生に多い!)がいたら・・・
でも、指導できない・・・

何でもかんでもできるのがプロ?そんなことはありません。
どうすればよいかがわかるのがプロ。
私なら、口腔筋機能療法のプロの歯科医師&歯科衛生士さんに相談します。

昨年1月に、高松でMFTの研修会がありました。
講師は、DH大須賀志保先生(いまじょう矯正歯科クリニック)
            DH實原加奈先生 (こうざと矯正歯科クリニック)
     DH金川幸代先生 (赤松歯科医院) 

研修会は、自分自身のネットワークを広げることができます。
これは、患者さんにとっても幸いですね。

日々思うことこの記事のURL

『MFTと矯正歯科における歯科衛生士の役割』 への48件のコメント