コアラの離乳食『中川志郎の子育て論』より

コアラは赤ちゃんは、哺乳類ですから、当然母乳で育ちます。
皆さんご存じのように、大人のコアラは、あの硬いユーカリの葉っぱのみを食べるのです。
子どもはいきなり、硬くておまけに有毒物質も含む葉っぱを食べることができません。
そこでクイズです。

その途中、すなわち、離乳食はどうするのでしょうか?
1、お母さんが、口で消化したものを食べさせる。<食塊>
2、お母さんが、胃で消化したものを食べさせる。<ゲロしたもの>
3、お母さんが、腸で消化したものを食べさせる。<ウンチ>
4、実は離乳食はなく、即、ユーカリを食べることができる。

 さて、食育を含め、動物の子育ては、何百万年の動物の生活の歴史の中で培われてきた
知恵というか、本能としてインプットされた<いのちの働き>というか・・・・
その動物が生きていくうえで、最善の方法によって営まれている。
そのようなあり方を、何らかの原因で踏まえることができなければ、死んでしまうか、たとえ個体として大人になっても、うまく生きていくことができない。

例えば、ペンギンをプールのない環境で人間が育てると、泳げないペンギンになる。
泳げないペンギンを、本当のペンギンと言っていいのか???
本来のペンギンになりそこなった、ペンギン・・・・・
このペンギンを、本来のペンギンに育てなおすのは大変なことです。
また、人間世界の中で人間に育てられたチンパンジーは、子育てできないのです。
食についても、やはりそれぞれの動物の知恵が働いています。

<いのちの働き>、いのちがいのちとして働いている
その働きは、人間の浅知恵をはるかに超えておおり、深い感動を覚えます。

 では、コアラの離乳食に話を戻して、クイズの
正解は、3 お母さんのウンチを食べる
これが自然の摂理にかなっている。(詳しくは本を読んでね)
一般に、草食動物の離乳食は、ウンチであることが多いようです。

「いのちのシステムに即していのちを営んでいる」 と言ってもいいでしょう。
その証拠に、いのちの摂理を無視すれば、いのちを失ったり病気になります。

ところで、
中川志郎さん は、1972年、上野動物園にパンダを迎えたときの飼育課長さんです。
パンダの飼育プロジェクトチームのリーダであった方です。

パン君とパンダ

パン君の本当の幸せとは何だろうか?

 獣医さんとして、多くの動物の子育てを見てきた方です。
その中川さんは、「人間だって哺乳動物だろう。ということは、人間様と威張っていても
いのちのシステムに即していのちを営んでいる」のであるから、
それを無視すると,
心身ともに健康な人間として生きていくのが難しくなる』 よ」  と考えているのだと思います。
そのような観点から、人間の保育に生物学的な考えが抜けている  ことを指摘している。 そして、

人間のライフスタイルは、生物学的に持っている人間のライフスタイルと、文化をもった人間のライフスタイルとが大きく別れたんです。
極端に言うと人間の生物学的な意味での不幸がその時から始まった。
しかし、それ以前には、別な形の生き物としての不幸があった・・・

 そうなのですね。いろいろ考えさせられます。
コアラの離乳食を尾籠な話だというのは、人間の身勝手な 考え方でしょう。
しかし、人間がそうしないのは正常な感覚ですね。

 では、人間の離乳食はどうでしょうか・・・
猿は、母親が食べているものを口から横取りします。
人間なら、お母さんが、ご飯を口の中でカミカミして食べさせるということでしょう。
唾液アミラーゼで、消化しやすくなったお粥ですね。
理にかなっているじゃないか!

「同じ釜の飯を食う」 喜びは 「同じ口の飯を食う」 から始まるのだろうか。

・・・・・・仲間で、鍋料理をつつけない若者が増えている・・・・・・

 歯科衛生士のつぶやき>
乳幼児に対する歯科保健指導のあり方で、気になることがあります。
子どもの虫歯の原因である虫歯菌は、主な養育者である母親の唾液から感染するのです。<歯科の常識>
したがって、子どもを虫歯から守るためには、離乳食を食べさせるとき、母親が使ったお箸を使って与えてはいけない。
熱いものをフーフーしてはいけない
母親の口に入っていたものを与えてはいけない
これは、母親をしてきた私にとっては、「変だろう」と感じます。
なぜって、母親感覚として、ナイチンゲールならコモンセンスというところでしょう。

 <ナイチンゲールのコモンセンスについてはまた後日>

中川志郎先生の言葉を借りれば、歯科衛生士が虫歯予防のために
人間の生物学的な意味での不幸」生み出すことに加担しているのではないかそんな気がします。
まずは、母子関係の重要性(最重要課題)を押さえたうえで、虫歯菌の感染について話す。
次は、母親の口腔内環境を良くすることであろう。
(歯科衛生士として)
言いたくはないが、乳歯虫歯の1本や2本 騒ぐでない!
もっと大切なことが、黙殺されているゾ !

本中川志郎
エイデル研究所  1990年 1165円

この本は、鹿児島県の歯科衛生士 和気由美さん から紹介されました。
とてもいい本でした。 ありがとうございます。


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『コアラの離乳食『中川志郎の子育て論』より』 への53件のコメント

  1. 和気 由美

     お電話ありがとうございました。ご縁に感謝です。
    中川先生は、おっしゃってました。
    人間は人間が育てなければ、人間にならない。動物の子育てに人間が関わったら、本来の動物の子育てにもどそうとしてもやり直しはきかない。しかし、人間はいくつになっても子育てのやり直しができる。動物と人間の違うところは、言葉かけと抱きしめだ。
     動物は抱くことはできるが、抱きしめはできないそうです。抱くことと抱きしめることの違いは何だろうと思う時、体温を感じるのが、抱きしめと私の中で定義づけてます。体温を感じる時、必ず相手の思いが伝わってくるからです。私はこのことをずっと信じ続けていたら30過ぎの息子を何のためらいも違和感もなく抱きしめることができた時、一瞬で子育てのやり直しできました。心を感じる抱きしめ、間違いなく大切だと思います。