ナイチンゲール・久松真一・八木誠一

私たちが働く時、人間関係って難しいと感じます。
実際、職種にかかわらず仕事の話をする時、人間関係の悩みがいつも話題になる。
私たちは、仕事以外でもいつも人間関係に悩まされますね!

さて、23年8月13日のブログで
久松真一・八木誠一対話『覚の宗教』春秋社 昭和55年
と言う本を紹介しました。
その本で、久松真一は本来の人間の在り方を、数珠に譬えています。
関係の在り方と言ってもいいのではないかと思います。

数珠は<個>(珠)がたくさんあります。
しかし、1つ1つの<個>ですが、その<個>がバラバラでは数珠とは言えない。
数珠全体<多>が成り立たなければ、数珠の<働き>をなしえません。
もちろん、<個>(珠)がなければ、<多>(全体)もない。

数珠

数珠

つまり、<個><多>が同時に成り立つ在り方、
いいかえれば、<個>が成り立つことが<多>が成り立つことであり、
また、<多>成り立つこが<個>が成り立つこと。
これが、数珠が数珠であることですね。

この数珠のような関係が、本来の人間の在り方です。
では、そのような、<個>即<多>、<多>即<個>の関係とは???

八木誠一は、単に<個>が寄り集まった関係は「総合」
      <個>と<個>が並ぶ、その<個>と<個>の関係は「統一」

      <個>即<多>、<多>即<個>の関係を「統合」と呼んでいます。
       本来「統一」とは「統合における統一」であると述べています。

この、「統合」関係を成り立たせる、働きは「統合化作用」です。 
久松真一は、八木誠一の「統合化作用」を「一」と言っているのだと思います。
その、「一」の働きの比喩が、数珠の<糸の働き>と言うことだと思います。

その理解は違うゾ!というご指摘があれば、どうかご指導ください。

数珠に例えると、糸が何か物として感じられてしまします。
八木誠一の、磁場における釘の方が、その比喩としてわかりやすいかもしれません。

磁場において、釘をうまく組み合わせると円になりますね。
この場合釘が<個>で、円が<多>
この円としての<多>が成り立つことが、釘すなわち<個>を成り立たせる
<個>即<多>、<多>即<個>
こうなる働きが「統合化作用」=「一」
「統合化作用」=「一」は、どこまでも働きなので、形はありません。

さてこの場合、釘に磁力が働いていると言えるように、
<個>「統合化作用」宿っていると言えるでしょう。

この「一」「統合化作用」を、ナイチンゲールは、「One」といい、
イエスは「神のはたらき」と、語ったのではないでしょうか。
もちろん、イエスの語った「神のはたき」は、イエスの死後原始教団によって
現在まで語り継がれていり「神」とは、異なると 八木誠一は考えています。
私も、別にイエスがこの世に生まれなくても、「神のはたき」はあったと考えます。

人間関係は本来このように成り立っていいる。
しかし、この世はままならぬ。
国家権力や、職場は、この数珠がの珠が、ピラミッド型になっている気がしますね。
そこに、人間の生きにくさ、怒り、理不尽さがあるのではないでしょうか。
その極限状態が地獄・・かな??

さて、数珠が成り立つような関係、これが本来の世界と人間。
本来、世界と人間を、「一」「統合化作用」「One」「神」の働きの実現として
とらえられるならば、それが、成り立たなくなると、
それを苦痛(地獄)として感じることになる。

きっと天国は、死んでから行くところでも、宗教の権威にお金を払ってお墨付きをもらうものでもないのではないかしら。

この地獄感を感覚することができるのは、
「一」「統合化作用」「One」「神」の働きが人間に備わっているからですよね。
じゃ、それを、本来の<個>即<多>、<多>即<個>の関係を「統合」がなる立つように、
私たちは、働けばいいのよね。

よくよく考えると、病気は地獄で健康は天国。(天国には気付きにくい)
身体って、統合化作用の働く、統合体。それが身体が身体として成り立つこと。
細胞が<個>なら、全身は<多>。
この、<細胞/個>即<全身/多>を成り立たせる働きが、<一/統合化作用/One /神>

私の論文指導をして下さった先生(八木洋一)は、<一/統合化作用/One /神>を
<いのちの働き>と呼んでいます。
身体で考えると、<いのちの働き>が理解しやすいですね。(私の場合は)
私たちは、その<いのちの働き/統合化作用>、つまり統合化プロセスが、
うまく働くように働く。
それがケアとしての働き。本来のケアって、こういくことを意味するのでしょう。

ナイチンゲールは、それを<本来の看護>と考えていたのだと思います。

長々と、ややこしくなりました。
まだ続きがありますが、また後日。

 

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