障害を負うことの大変さ

香川県歯科医療専門学校の3年生に、口腔ケアの授業をしています。
2年制のときとは学ばなかった、頚部聴診などの実習もあります。

頚部聴診

聴診器を使った、頚部聴診の実習

難しいことも大切ですが、学生時代に一番学んで欲しいのは、患者さんの気持ちです。
そこで、<当事者体験歯磨き&嗽>をしてもらいました。

  ・利き手は、グーにして軍手に入れておく
  ・利き手側の口角に、5cmのテープを縦に貼る 
  ・サングラスをかける     
  ・左手にウェイトを付け、軍手をはく

その時の感想を紹介します。

  ・イライラした。・全体に面倒だった。・もどかしく、いやになる。・とにかく疲れた。
  ・歯ブラシが奥まで入らない。 ・力が入らなかった。・投げ出したくなった。
  ・持ちにくく、しっかり持とうとすると、余計な力が入りすぎ、歯磨きが痛かった。
  ・持ちにくく、結局持ち方が、グーになってしまう。
  ・動かしにくいと、適当になる。 ・毛先があたらず、クルクル回る。
  ・歯ブラシの感覚が分からず、細かくは磨けない。
  ・重くて、歯磨きがいやになった。 ・1分ぐらいで磨きたくなくなる。
  ・手も口も疲れた。何回も休憩した。
  ・こんなにえらく、疲れるのなら、時間をかけて磨こうとは思わない。
  ・すぐに疲れて、長時間磨くのはきついとおもった。
  ・サングラスをしていると、何がどこにあるか分からなく、感覚がおかしかった。
  ・最初は丁寧に磨くようにしていたが、後半手が痛くなって、疲れてきて、
   最後はてきとうな(なげやり)な磨き方になった。
  ・ウエイトをつけると腕が重たく、歯ブラシを当てると力を込めてしまうので、
   歯肉とかに当たると痛かった。

  ・片麻痺の方の口は、汚いだろうなぁ。
  ・これでは虫歯や歯周病になると思った。
  ・口から悪循環が起こると思う。
  
  ・普段何気なくやっていることが、高齢者や障害者にとっては、
   とても大変で疲れると作業だと分かった。
  ・日常生活の一つ一つが、かなり大変だと思う。
  ・障害を持つと、大変なことばかりだ。
  ・施設実習では、何事もゆっくり待ってあげたいと思った。

  ・利き手でできることに喜びを感じた。
  ・当たり前の幸せを、しみじみ感じた。

歯磨きウエイト

肘を机に置いたり、肘をちょっと支えてもらうとホッとします

皆さん、お疲れさまでした。

 

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