『妻でなくていい最後までこの人の付き添いでよかった』

春休みは読者三昧です。
『妻でなくていい最後までこの人の付き添いでよかった』
太田しのぶ ・ 太田重二郎 著 文芸社 1,200円

妻でなくていい医者であった夫を失った奥様のエッセイです。
切々とした夫婦の情愛、そしてご主人を失った悲しみ、空しさが伝わってきます。
その悲しみや空しさは、私の患者さんが亡くなった時の家族の心の痛みと重なります。

先日、多度津町の訪問口腔ケアに行くと、
介護をしている奥様が、「本田さんにお客さんが来ているわよ」と・・・
誰だろ・・・・?
なんと、一昨年前の暮れまで口腔ケアをしていた女性のご主人でした。
仕事を辞めて、癌の奥様を最後まで介護しておられた方です。
現在はタクシーの運転手の仕事に復帰しているそうで、
そのタクシーに、現在私が訪問している患者さんの奥様が乗り合わせた。
その時、口腔ケアのことが話題になり、・・・・・・
本田という名前がお互いの口から出たそうです。

そして、タクシーの運転手さんは、わざわざ会いに来てくれました。

1時間の口腔ケアにお付き合い頂き、その後皆でお茶を飲みながら、
亡くなった奥さんの思い出話を聞かせて頂きました。
何故か、口腔ケアを大切にして下さる家族は、
本当にやさしい人たちです。ありがたい!

本を読んだ直後だったので、特にジーンときました。

 

日々思うことこの記事のURL