以心伝承・日本経済新聞 2011年2月21日 こころの虫歯予防

 

★歯磨き教室

日経歯磨き記事110221

埼玉県熊谷市の成田小学校

 

 
  初めて入る教室にきょろきょろ。

  春から1年生になる子供たちに、 

  先輩が歯磨きを教える。

  シュッシュッ。 

  歯ブラシは鉛筆みたいに

  指で支えて、 小刻みに。

  給食はもちろん、

  がちっとくいしばる 

  駆けっこにも歯は大切だよ。

  家でも1人で磨けるかな?  

  また4月に会おうね。

  

いいですよね。先生にではなく、お兄さんやお姉さんに教えてもらう。

4月の入学式は、教えられた新入生も、教えた先輩もお互いに探しあうでしょうね。

 

高松市の香西小学校で10年間くらい、歯科保健指導をしていました。

年に数回というのではなく、毎週水曜日の5,6時間目と放課後。

この間、いろいろな取り組みを試みました。

5年生が2年生に、6年生が1年生に、赤染めをして歯磨きを指導する。

これは、先生方の心配を裏切る、大成功。

 

いつもはやんちゃな男の子も、この時ばかりは真剣。

しっかり、舌側をデンタルミラーで観察し、歯垢をチャートにマーキング。

優しく気遣いしながら、歯磨き指導をしてくれます。

自分の口の中は見えにくいので、「人の口見て我口なおせ」ってことになります。

 

教えたわけではないのに、

うがいの水を黙って継足す、唾を吐きだす牛乳パックをタイミングよく差し出す、

手を添えて歯磨きをするさい、左手をそっと頭の後ろに添えている。

そんな子どもたちの様子を見るとこの子は大丈夫 と感じます。

きっと、育てられたように、人とかかわるのでしょうね。

 

この授業は、なにより、人と関係を持つ楽しさと難しさを学びますね。

       こころの虫歯予防               

 

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