本当に必要なところに届かない訪問

  
丸亀市の依頼で、島への訪問口腔衛生士指導に行っております。

瀬戸内芸術祭が終われば、<祭りの後の静けさよ>であります。

訪問したお宅にも、芸術祭を盛り上げた様子が、玄関先のすだれアートからうかがえます。
すだれに、海岸の石、一輪挿し、竹の花入れが取り付けられ、
松や南天が飾られています。

平成20年から足を運んでいますので、島の皆さんとも顔なじみ。
お互いの近況を報告します。話題は孫の成長や、亡くなった家族のこと・・・
我が家のことも覚えていた下さり「嫁に行った子、孫で来たんな?」
「農業始めた息子さんは、うまいことやりょんな?」といろいろ聞かれます。

お互いの報告が終わったら、歯の話。
入れ歯を見せて頂くと、奇麗に手入れで来ていますが、不適合で難儀しているそうです。
全身疾患もあり、しっかりお食事を食べていただきたいのですが、
本人「歯が落ちてたべれん」
  「歯医者行きたいが、足がなー」
家族「歯医者行っても、待たされるんがしんどいらしくて」

本田「そうやなー、船まで行くのも大変や」
家族「丸亀についても、タクシーで往復して、帰りの船の時間もな・・・」
本田「大変やなー、1日仕事やねー」
家族「付き添う私も体調が悪いしなー」
本人「丸亀にいる子どもに仕事休んでもらうこともできんきん」

本田「そしたら、ポリグリップみたいなもんで、ちょっとしのいでみる?」提案すると

本人「これかいな」と見せてくれたのが、いろいろ試した義歯安定剤。

家族「子どもも心配して、次々買って送ってくれたんやけどねー」
本人「本田先生治してよ」
本田「私はできんのよーごめん。歯医者さんや技工士さんが来てくれたらいいのにねー」

島に往診してくれる歯科医院がないかと探しましたら、2件見つかりました。

1つは、公民館などに10人くらい治療が必要な人を集めてくれたら行きます。

もう一つは、車を船に乗せる実費が必要です、つまりフェリー代金。ざっくり1万年。

本田「健康祭りに歯医者さんが来てくれたんかな?」

家族「そこまで行ける人は、丸亀の歯医者さんに通えるけんな」

本田「そうかー」

本人「島やきんなー、しょうがない」

家族「島の診療所に、歯医者さんが来てくれたらええのにな!!」

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