川邉研次先生の講演!!

 

「天才歯科医が教える 10歳までの姿勢教育で お口ぽかん、視力の低下を防ぎ、
免疫力もゲットしょう!」

https://www.hanamaru-college.com/videodetails.php?id=952

患者さんは勿論、ご自身、家族,為にも、是非観てください!!

(親も学ぶ花まる子育てカレッジ より)

8月4日(水)未来歯科院長である川邉研次氏による「天才歯科医が教える10歳までの姿勢教育でお口ポカン、視力低下を防ぎ、免疫力もゲットしよう!(対象:6歳~10歳のお子様をお持ちの保護者)」と題した対談をZoom配信しました。
未来歯科は、基本的に道具を使わずに全身のトレーニングで歯列を良くすることを目指しています。はじめに川邉氏は、目・鼻・口は空洞でつながっており、口腔の問題と全身の問題はつながりがあることを語りました。歯並びの悪さに影響することとして、鼻呼吸できていないこと、飲み込みが悪いこと、姿勢の悪さを挙げ、姿勢の悪さにつながる環境要因として、座っている時間、椅子の高さ、歩き方、靴選びについて言及しました。
まず、座り続けることによって病気のリスクが増えるとされるため、15分で勉強も運動も次に切り替えることを提案しました。椅子の高さについては、グーグルなどの大手企業で「昇降机」が使用されていることにも触れ、立って勉強することの良さを説明しました。また「バランスボール」も良いグッズであり、良い姿勢を作り上げて脳と体を鍛えていく重要性を説明しました。
歩き方のトレーニングとして、裸足での「雑巾がけ」を紹介。未来歯科では雑巾がけを48m行っていると話しました。靴については、親指側に体重がかかるようにすることが重要であること、マジックテープが2本付いていて折り返しの部分に金具があるタイプの靴を推奨しました。
子どもの頃に、たくさん走り回ること、大きな声を出すこと、勉強を遊びにしていること。このような生活をしていると、人間の身体の機能を全部使え、免疫力が上がると説明しました。また、食事はしっかりと噛める調理を推奨しました。
最後に「習慣を変えることが大切」だと語りました。呼吸や食べ物を変えるためには、行動パターンや考え方を変えること。そのためには親も、子どもと一緒に生活習慣を変えることが重要であると強調しました。口腔と全身が影響していることや姿勢の大切さを学ぶことができ、自宅で行えるトレーニングも知ることができた有意義な時間となりました。

 

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歯科衛生士の隠居部屋

来年は私も晴れて高齢者の仲間入りですので、
自宅のそばに、歯科衛生士の隠居部屋を開きました。
まんのう町七箇福良見というところです。
古民家と言いたいところですがで、ただの古家です。苦笑!!

仕事をして疲れた・・・・
歯科衛生士を続けるかどうか迷っている・・・
職場を変わりたい・・・
もっと勉強したい・・・
講演を頼まれたけど自信がない・・・
保健指導の媒体を作りたいが・・・
体調がすぐれない・・・

子どもの口腔育成を学びたい・・・
町村純子先生の身体調和支援について知りたい・・・
お子さんやお孫さんに、
そして家族に歌に合わせてマッサージをしたいが方法がわからない・・・

ただ、ゆっくりお茶が飲みたい・・・

お待ちしていますので、どなたでもいらしてください。
DVD、本の貸し出しいたします。
代金の心配はご無用(笑) 手土産不要(笑)
但し、不在のこともありますので事前にご連下さい!!

1階は息子の農園の作業場で、隠居部屋は2階となっております。
今は窓から見える、お隣さんのおの庭の桜が、おもてなし致します。+

漆喰の壁は、プロジェクタースクリーンとして使っております。
ご希望により、ミニ勉強会も開催しております。

「私の考える、これからの歯科衛生士が担う健康について」
「食べる支援」
「幕内秀夫先生から学んだ食生活」
「町村純子先生から学んだ身体調和支援」
「岡崎好秀先生から学んだ歯科保健指導」
「八木洋一先生から学んだケアの根源」

私の希望としては、読書会もしたいと思っています。

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ケアマネニュース10

入れ歯の話

8020運動を知らない方はいないと思います。
そう、「80歳で20本の歯を残そう!」という目標です。例えば、前歯2本、犬歯1本、小臼歯2本が上下左右で20本となりますね。では、大臼歯はいらないの?決してそんなことはありません。試しに、奥歯をかみしめずに、片足立ちでバランスをとったり、握力を測定してみてください。その大切さが理解できると思います。車の急ブレーキの踏み込みも、奥歯がないと遅れると言われています。利用者さんでしたら、バランスを崩して転倒しやすくなったり、腹筋に力が入りにくくなります。入れ歯でもいいですから、20本ではなく、28本を目指してほしいと思います。

さて、じゃ入れ歯を作って入れようとしたとします。一回でドンピシャ!「こりゃいい、よく噛める。」とはいかないのです。入れ歯を作った患者さんにとって大変なのは、入れ歯の調整です。調整は入れ歯を少しずつ削り様子を見ながら進めるために、日数がかかる場合が多いのです。運よく1,2回で適合する場合もありますが、10回以上の調整が必要となることもあります。この事態について患者さんの理解が得られなかったり、あるいはご家族にとって負担となったりする場合には、調整が途中で放棄されてしまうことがあります。そうなると、患者さんは入れ歯を快適に使用することができず、食事や会話に不自由を強いられる結果になるのです。歯科医師と患者さんの間に立つ歯科衛生士は、このような状況について丁寧に説明するのですが、患者さんのイライラは爆発することもあります。時には、先生には「大丈夫です。」と言いながら使用しないという選択をなさる方もいます。そうなると、先生の方もせっかく一生懸命調整しているのに・・・・と。

訪問歯科衛生士はこのような場合、患者さんは勿論、ご家族、施設のスタッフ、先生の間に入って説明することになります。理解が得られなければ、何度も何度もお話しさせていただいています。患者さんも辛いですが、歯科衛生士も根気がいるのです。

私が出会った患者さんは、次々に歯科医院を変わり、なんと7個の入れ歯を持っている方がいました。幸い7個目の入れ歯とは相性が良かったようです。7件目の歯科医院がよかったということもありますが、長きにわたって、入れ歯を入れるということに慣れたという面もあると思います。口の中は、体の中で最も神経の数の多いところです。ですから、口の中に1㎝の髪の毛が入っても耐えられません。そんな口腔に入れ歯を入れて、使いこなしていくためには、慣れて馴染むまでの時間が必要なのです。

患者さんに入れ歯の調整について説明するとき、私はよく「眼鏡と義足」のお話をさせて頂きます。眼鏡はかけるとすぐによく見えます。(それでも定期的にフレームの微調整は必要です)が、入れ歯の場合はそうではなく、義足をイメージしていただきます。義足をはじめて使う場合、まず訓練を目的とした「仮義足」と呼ばれるものでリハビリします。その後、「本義足」を作り、調整しつつ使い慣れていくのです。パラリンピックでのパフォーマンスを可能にするためには、さらに特殊な義足を装着し、長きにわたりご本人と、義肢装具士の並々ならぬ努力で可能になるのだと想像できます。入れ歯は「義歯」とも言いますが、眼鏡ではなく「義」がつく義足の仲間なのです。

歯のおもちゃ

ところで、認知症が進むと、入れ歯を新しくしても使用率が低いという研究報告があります。主に3つの理由が挙げられます。

①新しい義歯への順応が難しい

②意思疎通困難なため、十分な義歯調整ができない

③義歯なしで柔食が摂食できると、装着の必要性が少なくなっている

上記のような患者さんのご家族が、何とか入れ歯を装着してしっかり食べて元気になってもらいたいと思っている場合、ご理解いただくのも辛いものがあります。伊東歯科口腔病院の廣瀬知二歯科医師は、入れ歯を新しく製作する場合に次の3点の確認をするそうです。

①患者さん自身が義歯の必要性を理解している

②介護環境を含めて義歯の管理(衛生状態・誤嚥や紛失防止)は確保される。

③義歯の装着経験がある。

さて、高齢の認知症の利用者さんの食事介助における相談で、次のようなことを言われることがあります。「最近、スプーンを噛んでしまうんです。」口腔ケアの相談では、「奥歯に歯ブラシが当たると、カミカミするんです。」とか、「口腔ウエットティシュを指に巻いて拭こうとすると、強くチュウチュウ吸ってくるんです。」ということも耳にします。これらは、口腔に関連した原始反射だと考えられます。

原始反射とは、乳児期に見られ成長とともにだんだん消えていく、刺激に対して意識とは無関係に起こる筋肉の反応です。口の周りに何かが触れると反射的に吸うのが、おっぱいを飲むために起こる吸啜反射です。下顎臼歯部に何か触れると、噛むような動きをするのが咬反射と呼ばれるものです。これらは、脳血管疾患や認知症による脳のコントロール機能低下により口腔に再出現する、代表的な原始反射です。

利用者さんにこのような口腔に関連した原始反射の再出現が見られるようになると、義肢を使うことが難しくなります。赤ちゃんの卒乳の考え方を模すれば、「卒義歯」と捉えることができるのではないでしょうか。ただし卒義歯は、決して口から食べることができないという意味ではありません。食事形態の適切な選択や、食事介助の工夫でお口から食べて頂くことはできるのです。

今回をもって私のお話は最後となります。原稿を掲載する機会を頂けたことを感謝しております。ありがとうございました。

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ケアマネニュース8

災害時のお口のケアについて

今年(2021年投稿)は東日本大震災の発生から10年です。そこで、今回は災害時の口腔ケアについて考えてみたいと思います。

2011年3月11日から数カ月、Twitterで多くの人が「口腔ケアをしてください。誤嚥性肺炎で命を失わないために」とつぶやいていました。それは、阪神・淡路大震災(1995年)の教訓からです。阪神・淡路大震災では、肺炎が震災関連死の最多数を占めていました。震災関連死者のほとんどが高齢者であったことから、この肺炎の多数が誤嚥性肺炎だったのではないかと考えられています。それから後の震災では、誤嚥性肺炎予防のため口腔ケア班が派遣されるなど、口腔ケアの重要性が唱えられてきました。

そこで、防災用品リストの中にいつも使っている「歯ブラシ」を加えることを提案します。そして次のページの「歯みがき、お口にケアはあなたの歯を守ります!」をコピーして歯ブラシと一緒に保管していただけると、もしものときにお役に立つと思います。

もう一つ加えるとしたら、「液体口腔ケア用品」です。これには使用方法によって2つのタイプがあります。

・デンタルリンス(液体歯磨き)口に含んですすいだあと、歯磨きをします。
・マウスウオシュ(洗口液)
歯磨きが終わったあと、口に含んでぶくぶくして吐き出します。

さらに加えるなら、キシリトールガム(シュガーレスガム)です。噛むことで、唾液がたくさん出ます。一時的に口臭のマスキング効果が期待されます。また、噛むことでストレスの軽減や緊張緩和にもなります。

私は2011年8月に気仙沼の避難所を回らせていただきました。歯周病で支援物資の歯ブラシが痛くて使えない方がいました。いつも使っている歯ブラシを準備しておくことが大切だと学びました。使い捨てのウエットティシュに「液体口腔ケア用品」を少し含ませて、歯、口の中、舌、義歯を拭くと急場しのぎの口腔ケアになることも体験しました。

「入れ歯の調子が悪く、配られた弁当が食べられない」「虫歯が痛くて眠れない」「歯周病で歯が抜けた」という皆さんにも出会いました。震災前に歯科治療を受けて下さっていたなら、こんな辛い目に合わなかったのにと感じる方も多かったのです。防災として、歯科治療しておくことが何より大切だと痛感させられました。このことは、要介護状態になるとか、入院を余儀なくされることに対する備えとも言えると思います。

「口腔ケアは命を救う」は、介護現場と同じです。

暑い時期で、脱水症予防にスポーツドリンクが
差し入れられていました。お菓子類も豊富にあり、歯磨き不足になると、あっという間に虫歯になることがあります。介護現場と同様です。

人前で入れ歯を外すのが嫌で、全く清掃していない人がいました。そのことで、口臭が気になり会話もしていませんでした。

ある避難所に届いた歯ブラシは、大きくて、毛が硬い物ばかりでした。
義歯を洗うには重宝しました。

配られるお弁当が硬くて、食べにくいという方のお口です。自宅で生活しているときは、おかゆを食べていたそうです。
軟らかいはずのハンバーグも、寒い時期は油が固まり、噛めなかったそうです。

防災に必要と思われること>
健康な歯、口になる方法を知っておくこと。
健康な歯と口、適合の良い入れ歯で、しっかり食べることができること。
定期的歯科受診は、防災です

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ケアマネニュース7

ウイズコロナにおける「マスク」と「鼻呼吸」

2020年ユーキャン新語・流行語大賞には「3密」が選ばれ、トップテンには「アベノマスク」「オンライン〇〇」「アマビエ」など、コロナに関連するものが多い年でした。

歯科医院や仕事の訪問先では皆さん検温し、できる限り3密(密閉空間・密集場所・密接場面)を避け、マスクの装着、手洗い、うがい、アルコール消毒、換気を行っています。厚生労働省は疫病を払うとされる妖怪「アマビエ」を描いた啓発用アイコンをホームページ上で公開しましたが、いまだにご利益はなく、2度目の緊急事態宣言が発令されました。

ウイルスは口や鼻などの粘膜から侵入しますから、仕事はもちろん、日常生活においてもマスクは欠かせないものとなりました。洋服に合わせたおしゃれなマスクや、ウイルスや細菌、PM2.5のカットが期待できる高性能なマスクなど、さまざまなものが販売されています。マスクの機能はフィルター効果だけではありません。湿気に弱いウイルスは、マスクが吸収した呼気中の水分でダメージを受けます。また冬場は加温効果もプラスされるのです。

ただし、このマスクの機能が発揮できるのは、正しくマスクをつけた場合に限ります。いかに高性能なマスクであっても、マスクと顔に隙間があれば効果は激減してしまいます。せっかく装着するのなら、「鼻」「ほほ」「あご」に隙間ができないように、しっかりとフィットさせ、効果を最大限に発揮させましょう。

ところで、2月~5月は花粉症の方にはとても辛い時期です。花粉症は日本人の四人に一人が罹患している国民病です。花粉を身体に入れないようにする仕組みとして、鼻水や涙で洗い流す、くしゃみで吹き飛ばすという反応が起きます。もし、くしゃみが出た時、マスクを着けていなければ、どうなるでしょうか?100万から200万の唾液の粒が、新幹線に匹敵する速さで2~3mも飛び散るそうです。マスク着用とともに「咳エチケット」も守りたいですね。

さて、マスクの下で皆さんの口はどのような状態になっていますか?

閉じていますか、それとも開いていますか?

いくらマスクでウイルスが防御できるといっても、完全ではありません。口を閉じて鼻呼吸をしていれば、鼻のフィルターが異物を除去してくれます。しかし、口にはそのような機能がありません。正しくマスク着けて、口を閉じ、「鼻呼吸」することを意識してください。鼻の通りが悪くて口呼吸になってしまう方は、ミントのマスクスプレーも効果的です。

口呼吸になってしまう原因に、舌や口のまわりの筋力の低下があります。特に舌の位置が下がっている人は注意が必要です。チェックしてみましょう。口を閉じてみてください。その時、舌の先はどこに当たっていますか?

①上あご
②上の前歯の裏の歯ぐき
③上の歯と下の歯の間
④下の前歯の裏の歯ぐき

①は鼻呼吸をしている人です。②③④の人は、口呼吸になっている可能性が大きいです。

では、口呼吸を鼻呼吸に変えることができる「あいうべ体操」をご紹介します。声は出しても出さなくてもいいですが、ゆっくりと大きな口を開けるのがコツです。

1日30回を目標に、お風呂の中、車の中、利用者の皆さんと一緒に健口体操としてなど、時間を見つけて習慣にしましょう。

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ケアマネニュース6

さあー、歌いましょう!

皆さんおなじみの、お口の「パ・タ・カ・ラ・体操」は、食べる機能回復のリハビリの一つです。食前体操として取り入れている施設も多いと思います。「パ」「タ」「カ」「ラ」を発音することが、食べるために必要なお口の周りの筋肉や舌の筋肉のトレーニングになるのです。

では、簡単に各発音の説明をします。

」:唇をしっかり閉じてから発音します。
複数の表情筋、口輪筋や頬筋を鍛え、食べ物の取り込みや食べこぼしを防ぐ
トレーニ ングです。

」:舌を上あごにくっつけて発音します。
舌の筋肉を鍛えて食塊形成や食べ物を喉の奥まで動かすトレーニングです。

」:喉の奥を閉じて発音します。
口蓋帆挙上筋を鍛え、食べ物を飲みこむ時に間違えて肺に入らないように喉の奥を
閉じるレーニングです。誤嚥予防の体操です。

」:舌を丸めて舌の先を上あごの前歯の裏につけて発音します。

」同様に舌筋を鍛えて、食塊形成や食べ物の咽頭への輸送向上のトレーニングです。

10回ずつ発音し、5セット繰り返しましょう。唾液分泌も促されます。

食べるためには、呼吸のコントロールや、リズムも関係しますので、
「パ」「タ」「カ」「ラ」を発音する歌も有効だと考え取り組んでいます。

」:すずめの学校      ちーちーぱっぱちーぱっぱ 雀の学校の・・・

」「」:うさぎのダンス  ソソうさぎのダンス、タラッタ・・・

」:七つの子        ラスなぜ鳴くのラスは山に かわいい・・・

ただ歌うのではなく「」「」「」「」の音のときには手をたたいて、その発音意識します。すると、はっきり大きい声で発声できます。

こうしてみると、子どもが童謡を歌うのは上手に食べるための発達に大切だったのだと、考えられます。昔の大家族ではおじいさんやおばあさんが孫の子守をしていましたが、そのとき孫と一緒に歌うことが自分自身のフレイルや認知症の予防に一役買っていたのと考えられます。

こんな風に実施していた【歌う口腔機能向上訓練】では、隣に座っている利用者さんも一緒に歌い始めたりします。そこで、歌いたい皆さんもお誘いしています。

いま行っているスタイルを紹介します。

  • 歌謡曲や演歌、唱歌、童謡を織り交ぜる。
  • 1番のみを歌う(例外もあります)
  • 大きな字の歌集を作る。
  • カラオケやCDは使わない。(音程など気にしない為)

5、体を使うレクレーションを組入れる

・「茶摘み」の手拍子のところは机をたたく

・曲によっては運動をしながら歌う

・「幸せなら手をたたこう」は万歳など様々な

運動や、唾液腺マッサージなどを取り入れる

★近づきすぎない、向かい合わないなど感染予防の配慮も必要。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約20曲を30分かけて歌うのですが、100歳近い方もしっかり口を開き歌ってくれます。「声が出んから歌は遠慮したい」と言っていたが、歌い終わった後に大きな声で「楽しかったけん、また誘てな」と言ったりします。歌と会話では脳が関わる領域が異なりますから、上手くしゃべれなくとも歌える方もいます。私が帰るころ別の部屋から、ケアで歌った歌を口ずさむ声が聞こえてくるのです。旧石器時代、言葉を使う前から人は歌っていたと言われている事からも、人間には歌うという欲求が根源的にある気がします。もちろん、お嫌な方もいるので無理強いはしません。

 

口腔ケアで訪問している特別養護老人ホームも、新型コロナウイルス感染の影響で、厳戒態勢が続いています。事態が長引くにつれて利用者さんの心にも変化が出てきているようです。仕方がないとわかっていても「娘に会いたい」「外出したい」など訴えがあります。叶わぬ期間が長くなると、心が疲弊し黙ってしまう方もいます。そんな利用者さんのこころを、歌はひと時でも癒してくれている気がします。歯科衛生士の【口腔機能向上訓練】でなくとも、歌うことすべて【口腔機能向上訓練】になっています。

利用者さんのために、そしてご自身のために、さあー、一緒に歌いましょう!

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ケアマネニュース5

口腔ケア用品を使いこなして、口腔粘膜の清掃マッサージを!

要介護状態の方への口腔ケアにおける清掃は、<歯>と<舌・粘膜>と<入れ歯>に大別できます。前回、歯磨きについて書きましたので、今日は<舌・粘膜>の清掃について紹介します。

舌や頬の内側の粘膜はデリケートですし、自分で舌以外の口腔粘膜を清掃しませんから、口腔ケアをするのが不安だという声をよく聞きます。確かに難しいのですが、口腔ケア用品を使いこなすことで、苦痛を与えず、口腔内の食渣、痰、舌苔などを清掃することができます。また、清掃することによって、マッサージ効果も得られます。ただし、歯垢の除去効果は期待できません。

現在、多くの口腔ケア用品が販売されていますので、主なものを紹介します。

【左から】
口腔ウエットティシュ
スポンジブラシ
超軟毛(US)歯ブラシ
舌ブラシ
舌ブラシ
舌ブラシ
モアブラシ
くるリーナブラシ
吸引付きくるリーナブラシ

口腔ケア用品の使用方法については、パンフレットやYouTubeなどのネット情報が参考になります。しかし、これだけを見ればよいというものはなかなかないので、訪問歯科衛生士にアドバイスしてもらうと安心です。

【各種スポンジブラシ】

スポンジブラシは、最も普及している口腔ケア用品です。基本的に使い捨てですが、繰り返し使っているのを、よく見かけます。不潔になりますし、スポンジ部分が劣化して誤飲事故にもつながりますから注意が必要です。

汚れをスポンジの溝でひっかけるように清掃します。溝が、横に入っている物、縦に入っている物で、動かし方が異なります。状況によってスポンジの固さも選びます。価格も様々ですが、毎回使い捨てるなら、くるリーナブラシのほうが経済的だったりします。要介護者さんの好みや口腔内状態、さらに介護者の使い勝手も考慮しながら、訪問歯科衛生士はグッズを選んでいます。

ところで、口腔ケア用品を使用するにあたって、どこにも書かれていないのが、[まずケアする方が使ってみてください]というアドバイスです。口腔はとても敏感ですから、ケアする方がその感覚を身をもって知っておくことは大切です。自分で口に入れても、不快なことはしませんから、誰かにグッズを使って清掃してもらってください。家族など、慣れていない人にしてもらうと勉強になります。

特に覚えておいてほしいのが、感覚には個人差があるということです。同じことをしても気持ちよく感じる人もいれば、不快この上ないと耐えている人もいます。常に表情や、手に伝わってくる相手の気持ちに注意を払ってください。そして「感覚過敏」のある方には、強引にケアせずに、歯科医院へ依頼して「系統的脱感作法」の指導を受けてください。

ここで、汚れがたまりやすいが、直視しづらい部位を、ゴム手袋をはいて自分の口で確認しましょう。まず、唇と歯茎及、頬と歯茎の間の《口腔前庭》と呼ばれる部位です。思ったより深いので、指を底まで入れて確認しましょう。上唇小帯は敏感ですから注意が必要です。

《硬口蓋》やさしく触るとくすぐったいのですが、しっかり触ると大丈夫です。

《舌下部》薬が残っていることがあります。舌小帯があるので、注意が必要です。

口腔内の状態が分かれば、使用したい口腔ケア用品で自分の口を掃除してみましょう。

実際に要介護者さんに口腔ケア用品を使ってみて、滑りが悪いなと感じたら、保湿剤を塗布して清掃するといいでしょう。使い終わったら流水下でしっかり洗い、ヘッドを上にして保管します。

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ケアマネニュース4


効果的な歯磨きについて

歯磨きの最大の目的は「歯垢」の除去です。この「歯磨き」について、忘れられない
エピソードが2つあります。
●小学校で実施した「炎のチャレンジ・歯磨き大会」で、6年生ではなく2年生が優勝したこと。
●20分も歯磨きをしたにもかかわらず、磨き残しがあった患者さんのこと。

まず、20年前に放送されていた「炎のチャレンジャーこれができたら100万円」をもじって、小学校で行った歯磨き大会での驚きから。全校生に3分だったか4分だったか、自由に歯磨きしてもらい、その後、赤染をしてきちんと歯垢が落とせているかどうかを競いました。トップだったのは、歯科医院で新しい歯ブラシを買って持ってきた2年生のしんや君でした。勝つと思っていた6年生たちの敗因は、必死になって力任せにごしごし磨いたことです。磨き残やすい部位は、段差のある、歯と歯茎の境目や歯と歯の間です。言わば、重箱の隅。歯垢(プラーク)は、柔らかいネバネバした、スティック糊状のものです。歯ブラシを小さく動かして毛先で絡めとるように磨くほうが、得策です。毛先が開いていると磨けないのは言うまでもありません。また、毛先が開いてなくても、歯ブラシが古くなると毛先の弾力なくなり、汚れ落ちが悪くなります。掃除用のたわしと同じです。

次は、歯周疾患の治療として、歯磨き指導を受けるために通院して下さっていた幸子さん。ある日「今日は教えられた通りの方法で、20分も磨いてきましたから、赤染してもいいです。」と自信たっぷりにおっしゃいました。ところが、右の2番目の前歯(側切歯)と、上の奥歯の表側が磨けていませんでした。幸子さんは「えっー?なんで?」と、落胆した表情です。その答えは簡単。前歯が磨けていなかったのは、右利きの方によくある、磨き癖のためです。右手に歯ブラシを持つと、左の奥歯から磨き始める。徐々に犬歯、前歯と磨いたところで、歯ブラシを持ち替え右の奥歯から犬歯まで磨く。すると意識しないと右の側切歯に、歯ブラシの毛先が当たらないのです。歯ブラシを縦にすると磨きやすい部位です。上の左右の奥歯の表側が磨けていないのは、大きく口を開けて磨いていたからです。ここは、少し口を閉じ、頬の筋肉を緩ませて歯ブラシを動かしやすいスペースを作らなければ、歯と歯茎の境目まで磨けないのです。

二つのエピソードから言える、効果的な歯磨きの方法を紹介しますので参考にしてください。自分自身の歯磨きが上手になると、利用者さんへの歯磨き介護力がアップします。

1,歯ブラシ:小さめで、毛先に弾力があるもの2
2,歯ブラシの持ち方:鉛筆持ち
3,歯ブラシの当て方:毛先を歯と歯茎の境目ぎりぎりに当てる(鏡で確認)
4,歯ブラシの動かし方:小刻みに動かす(2~3㎜幅のストローク)
5,歯は1本ずつ磨く:10~20回ストローク
6,上下・左右・裏表すべて、1歯面ずつ順序を決めて磨く
7,舌で表と裏歯面を舐めて、ガラスの舌触りのようにツルツルになっていれば
磨けています。ザラッとかヌルッとした感じであれば、歯垢が残っています。

HOCL 無料配布 パンフレット のイラストをご覧ください。
下記の、下線部分をクリックしてください。イラストが表示されます。
4)歯磨きのポイント (1) 

【歯磨きトレーニング法】
爪を歯に見立てて、白い三日月のところを、
小さな消しゴムで消すイメージで歯磨きする。
自分の爪に歯ブラシを当てて練習すると、上手
に磨けるようになります。

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ケアマネニュース3


『食べかす』「歯垢」「プラーク」「バイオフィルム」ってどう違うの?

前回、担当利用者さんの「口腔内にライトを当てて観る」ことを紹介しましたが、口腔ケアでお掃除しなければならない汚は、何が見えましたか?よくわかるのが「食べかす」「舌苔」「痰」「痂疲」でしょうか。他に何かありましたか?それは「歯垢」です。今回は、この「歯垢」についてお話ししたいと思います。

歯科医院で歯磨き指導や、治療の説明で必ず出てくる言葉が「歯垢」です。最近、「プラーク」とか「バイオフィルム」という言葉で説明している歯科医院もありますが、三つは同じものを指しています。でも、「食べかす」とは異なります。意外とそのこと(歯垢≠食べかす)は知られていません。

さて、「バイオフィルム」とは「菌の膜」で、台所の三角コーナーや風呂、ホースの内側につく、ヌメリのことです。ヌメリの正体は、多種多様の菌です。それらの菌は互いにスクラムを組むように、強固な「コロニー」を形成しています。歯や入れ歯に付着したヌメリを、「歯垢」「プラーク」と呼んでいます。

「細菌のコロニー」=「歯垢」=「プラーク」=「バイオフィルム」≠「食べかす」

歯と歯の間や歯と歯茎の境目を爪楊枝でなぞると付いてくる、白い汚れです。入れ歯でしたら、指で触るとヌルっと感じるものです。歯垢は歯と同じ色をしているので、ライトを使って見ても、鏡でご自分の口を覗いてもはっきり確認できません。ですから、歯科医院では歯磨き指導の際、それを赤く染めて見えるようにしています。

歯に付着した歯垢はわかりにくいので、この存在を利用者さんに理解していただくのは難しいことです。そこで私は歯磨きする時に、透明コップに水を入れ、その水で歯ブラシを洗いながら行っています。

すると、コップの水は写真のようにだんだん白く濁ってきます。

この白い濁りは、ごはんやパンの「食べかす」ではなく、「歯垢」「プラーク」「バイオフィルム」つまり、「細菌」なのです。

「最近のコロニー」と言われてもピンときませんよね。そこで次は、YouTubeを見ていただきます。スマートフォンで、YouTubeから「デンタルプラーク(歯垢)の位相差顕微鏡動画」を見てみましょう。

いかがですか?菌が元気よく動いている様子が映し出されましたね。約300~500種類の菌が元気よく動いているのが、コップの中の歯垢の正体です。この中に、ミュータンス菌というむし歯の原因菌や、数種類の歯周病菌もいるのです。

むし歯の原因菌であるミュータンス菌は、人間が食べたお菓子や清涼飲料水に含まれたお砂糖のおこぼれを摂取し、不必要なものを体外に排泄して生きています。排泄物はネバネバした糊のようなもので、多くの細菌を取り込んでコロニーを形成して歯垢となります。

小学生にむし歯について説明するときには、次のように話しています。

むし歯菌は、お砂糖を食べて排泄(ウンチ)をします。そのウンチはネバネバしており、ばい菌たちをくっつけて「歯垢」を作ります。その歯垢の中で、ばい菌は酸出して、歯の表面を溶かし穴をあけてむし歯を作ります。

一方、歯肉炎は、歯周病菌が歯茎から体に侵入しょうとするとき、体の防御反応としておきた炎症です。歯肉炎が進行すると、歯を支えている骨を溶かす歯周炎となり、さらに重症化すると最後に歯は抜けるのです。

また、歯垢が付着して1~2週間たつと、唾液の中のカルシュウムが沈着して歯石になります。歯垢のコンクリート詰めといったところでしょうか。こうなると、歯ブラシでとることはできませんから、歯科医院で機械的に除去することになります。歯石自体には病原性はありませんが、歯周病菌の格好の住処なので、歯周病治療に歯石除去が必要です。歯石はため込むと、取られる患者さんも、取る私たちも大変ですので、定期的なクリーニングをお勧めします。

歯垢の中に含まれている菌が、唾液とともに肺に流れ込むと、誤嚥性肺炎の原因となります。歯垢は、口臭の原因の一つでもあります。さらに、歯周病菌が血液を経由して全身に流れだし、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、心内膜炎、関節炎、糖尿病などを誘発することもあります。

次回は、以上のような歯垢を取り除く、効果的な歯磨きについてお話しします。

 

 

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ケアマネニュース2

 

口腔内観察にライトを使ってみませんか?

昔々、介護保険法が制定される以前のことです。老人保健法における、訪問口腔ケアの依頼をされました。歯科医院では普通に仕事ができていた私でしたが、訪問して相手の土俵に上がって行う仕事は、戸惑うことだらけでした。というか、土俵にすら上がれず、玄関先で立ち往生することさえありました。そんな私を一から指導して下さったのが、同行訪問していた保健師さん、看護師さん、介護士さん、ヘルパーさんでした。

訪問の達人たちは玄関からすでに観察を始めており、「赤ちゃんの靴があるから、今日はお孫さんが来とんやなー。たいてい○○さんの機嫌がいいよ。」とか、畑の畝を見て「几帳面な方やろうなー」と情報を下さるのです。また、私が全く気に留めないような皮膚のわずかの赤みを発見して、「こういうのは、褥瘡になるかもしれないから、気を付けないといかんのよ。」といった具合でした。こちらも訪問の回を重ねるごとに、門前の小僧よろしく、まったく目にすら入ってこなかったことが、大切な情報として理解できるようになってきました。

ところが、私たち歯科衛生士が見逃さない口腔内の汚れに関しては、皆さんことさら気に留めていなかったのです。あれほどの観察眼をお持ちの皆さんがなぜ?不思議でした。どうしてだと思われますか、私も最初はわからなかったのですが・・・

なんと、口の中を見ていなかったのです。いえ、正確には「あーんしてください」と言っているのですが、ライトを使っていなかったのです。歯科医療従事者は日常の診療で、明々とライトを当てて、口腔内を白日の下にさらします。歯の裏側は、ライトの光を歯科用の丸い鏡で反射させて明るくするのです。しかし、他職種の方は、ライトで口腔内を照らす習慣がなかったのです。それに加えて、見られるほうも慣れていなかった時代でした。訪問先の90代の女性は、おむつ交換にはさして抵抗がないご様子なのに、口の中を覗かれるは「ふーがわるい」と言って手で口を覆い嫌がりました。

看護学校でのはじめての口腔ケアの授業をした時のことです。準備物にライトをお願いしていました。ところが、用意されていたライトは瞳孔測定用の薄暗いもので、口腔内の観察には不向きでした。「ライト」といっても職種が異なると、イメージするものが違うことに改めて気づかされた経験でした。あれから30年・・・介護保険が始まり口腔ケアの重要さが一般の方にも大切だということが浸透してきた現在では、笑い話です。と言いたいのですが、残念ながら、そうはなっていないのが現状です。口腔ケアのセミナーではいつも「ライトを使って口腔内を見ている方」と伺うのですが、手を挙げて下さるのは1割未満といったところです。

では、左の写真を担当利用者さんの口腔内だと思って見てください。いかがですか?

暗くてよく見えませんね。ここで、ライトを当てればどう見えるでしょうか。それが右側の写真です。お口の中がはっきり見えます。こうして汚れが確認できれば、口腔ケアがケアプランに盛り込まれるのではないでしょうか?!これからは是非、ライトを仕事の必需品に加えてください。口腔内をライトで観察することが、ケアマネージャーさんの常識になると嬉しいです。

さて、口の中が見えたところで、口腔ケアを実施するには汚れの仕分けが必要です。この写真だと、まず【舌苔】【食べかす】の清掃が必要だとわかります。

 

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