ダイソーの歯ブラシスタンド

100円ショップを覗いては、口腔ケア便利グッズを探してます。
差し上げても、患者さんがもらっても負担にならない金額ですので
重宝します。

今回は、ダイソーの歯ブラシスタンドが良かったので紹介します。

口腔ケアでは、おひとりに多くのケア用品を使う場合がありますね。
その保管はなかなかうまくいきません。
私の知っている歯ブラシスタンドは、歯ブラシ1本用か、
家族全員の歯ブラシを立てておくものです。

ところが、おひとり様用の多種のグッズを収納するスタンドがありました。

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歯ブラシ・義歯用ブラシ・舌ブラシ・歯間ブラシ2本・ウルトラフロス・
デンタルミラー・保湿剤

これで100円はうれしい発見!!

保湿剤の部分は、歯磨き剤はもちろん、吸引くるりーなブラシも収納できます。

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ペンライトを置いておけば、他職種の方や家族の方も口腔内状態を、
しっかり確認してくれます。
また、何も指導せず、ペンライトを使ってくださいとだけお話したら、口腔ケアのレベルが上がったことがあります。汚れに気づくと、相手から清掃方法を質問してくれます。

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脈は1分間の触診で

心拍数とは、1分間の拍動の数です。心臓が血液を送り出す際には、動脈に拍動が生じるので、この回数を脈拍(数)といいます。口腔ケアをする際、患者さんの心臓血管系の働きを知るのに簡単で有効な方法です。
ですから、口腔ケアの前には必ずチェックします。

ではこの脈拍をどのようにして測っていますか。

自分の第2指~第4指をそろえて第一関節より末梢側を、患者さんの橈骨動脈の真上に置く。
第3指の指腹で拍動を感じ取るようにすると、無理な力が入らずに測定ができます。
そして、1分間計測するのですが・・・

30秒測って2倍したり、20秒測って3倍することもできます。
しかし、きちんと1分間計測してほしいなーと思います。

先日、ある患者さんの様子がいつもと違うなーと思いつつ脈をとっていました。
回数はいつもと変わらない66回でした。しかし、いつもと異なり不整脈。
看護師さんに報告すると、計測してくれました。
すると、モニターでは82回。パルスオキシメータでは63回でした。
デジタル機器は、装着後すぐに数値が表示されます。
これは、数秒の状態から1分を割り出すため、不整脈の患者さんでは誤差が生じるのでしょう。

できれば、特に初めての患者さんでは、左右の脈をとりましょう。
脈の左右差は、動脈の血行障害を意味することがあります。
このような場合看護師さんは、左右の血圧を測定します。

さらに、脈拍の触診だと触れの強さもチェックできます。
弱い場合は血圧が下がっていることもあります。

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パルスオキシメータやデジタル血圧計を使えば脈拍数は表示されます。

それでも、触診もしましょう。
口腔ケア前に患者さんに触れることで、お互いに心の準備ができます。
この効用は活用しないのはもったいない!!

 

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H27年度丸亀市島の歯科相談

<H27年度丸亀市島の歯科相談>の日程が決まりました。

見学したい歯科衛生士さん、ご連絡ください。

午前中の実施
・11月24日(火)  ・12月11日(金)  ・12月17日(木)  ・1月19日(火)

・1月28日(木)     ・2月4日(木)   ・2月19日(金)    ・3月4日(金)

午後の実施
・11月19日(木)  ・12月3日(木)   ・12月15日(火)  ・1月8日(金)

・1月12日(火)    ・1月27日(水)     ・2月2日(火)         ・2月9日(火)   

・2月25日(木)        ・3月4日(木)    ・3月8日(火)    ・3月22日(火)  

丸亀港から出発します。

それぞれの高齢者のみなさんの日々の営みに、教えられることが多い仕事です。
何年も続いていますので来てくださる方とは顔なじみですから、話に花が咲きます。
お互いの近況やら話した後、歯科相談が始まります。
生活が見え、本音で語り合うことができるところから、本当の健康相談や歯科保健相談は、
始まるのではないかと思っています。

保健師さんと一緒に行くのですが、その仕事は保健・医療・福祉の垣根を超えており、
勉強になります。また、日本の社会問題も突き付けられます。

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本島四輪

皆さん、この車を押して集まってくる。

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ナイチンゲールにこだわるわけ

8月20日、21日の2日にわたって講演をさせていただきました。
歯科衛生士の先生方にお話をするのは大変だ!!と、準備期間中は気重でした。
当日、眞木吉信会長までいらして、あがり症の私は足はガクガク、手はブルブル。
みなさん、そんなことないでしょうとおっしゃいますが、超あがり症。

20日の講演終了後、穴吹学園の横井先生に「早口でしたねー」と言われましたが、
それは、緊張のせいなのです。
日常の授業も、緊張しています。
そう、態度と声は大きいのですが、気はとても小さいのです。

いま無事研修会を終えて、一番勉強になったのは私であったと感謝しています。

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—歯科衛生士による口腔ケアの質は、科学的な方法論が取り入れられることによって年々向上しています。
—しかしケアの現場では、単なる通り一遍の科学技術的な知識や技術の寄せ集めだけでは対応できない課題が残っています。そこにはケアそのものが成り立たなくなるような質の問題が含まれているのです。
 だが、われわれはその問題をあたかも存在しない問題であるかのようにして葬り去ることもできます。いえ、全く気づいてさえいないないかもしれません。

その一つは、看護・介護でも注目されている<口腔ケア>ですが、なぜこれまで注目されなかったのかという問題です。
 看護学生さんが必ず手にする『看護の基本となるもの』でバージニアヘンダーソは、1961年にこう述べています。

すべての看護婦が、患者の意識の状態やベッドの上でとらなければならない体位がどうであれ、患者や無力者の口腔と歯を清潔にする方法を知っていなければならない。歯牙および歯肉は、病気中、健康時よりもいっそうの手入れを必要とする。歯は少なくとも日に2回磨き、できればもっとしたほうがよい。患者が自分でできない場合はいつでも、看護婦がその口腔を清潔にすべきである。患者に意識がないときには、水やその他洗浄剤類が誤飲されないように万全の注意をはらう必要がある。排水しやすいような頭の位置することが大切であり、また、モーターつきの吸引幾、あるいは注射器利用の手でする吸引を活用する。

1961年と言えば、私が3歳のころ。歯磨きは朝食前に1回だけしていた時代です。
もちろん仕上げ磨きなんてしてもらった覚えはありません。
歯磨き剤は、歯磨き粉でした。<笑>

これを読んだ皆さん、看護師さんはどうしてそうなんだとは言えません。
きっと、日本ではルーティーワークとしてマニュアル化していなかったのでしょう。

でも、どうしてマニュアル化しなかったのかも不思議です。
と同時に、マニュアル化したとたんに欠落する問題が出てくるのです。
そこをどう考えるかということなのですが、ナイチンゲールは私たちにヒントを残してくれていますよ、というお話をさせていただきました。

さて、この問題が解決されなければ、私たちも患者さんをケアをしているつもりでも
ほかのケアに於いて踏み外しをしている可能性が大きいということを自覚する必要があります。このような問題に関心がある方は、ぜひナイチンゲールの『看護覚え書』を読んで、
このサイトの<ナイチンゲールコーナー>の論文を開いてみてください。

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「こころ」について

 脳科学が発達している。どのような場合に、脳のどの部分が、どのように活動するかというようなことはかなり明らかになっているようだ。しかし、脳細胞の活動が「こころ」を産出するという俗説は誤りである。脳細胞の活動は、外から観察する限り、あくまで神経細胞間の物理的・化学的反応であり、それが物理量でも化学手物質でもない「こころ」を直接に産出することはありえない。むろん、目に見えないこころが脳内で産出されるさまを外から直接見ることもできない。いつの日か、脳細胞の活動を観察して、この人はコーヒ-を飲みたいと思っている、というようなことが解るようになるかもしれないが、それはあくまで脳細胞の活動状況とこころの動きとの対応関係を事前に明らかにした上での「解読」作業であって、外から直接に「コーヒーが飲みたいという欲望」が目に見えるわけではないし、脳細胞がこころを産出する様が見えるわけでもない。換言すれば、脳細胞の活動を観察し、その物質代謝を検証する機械では、「こころ」のはたらきを直接計測するわけにはゆかない。

 こころは客観的観察に対しては存在しない。あるけれど見えないのではなく、単純に「ない」のである。「直接には観察も計測もされない」とはそういうことだ。しかしわれわれは、自分の「こころのはたらき」を感覚上・自覚上の事柄として知っているから、心が非現実だとは言わない。むしろ、これ以上に確実な現実的ないことを知っている。痛みに対するこころのもろもろの反応も、われわれにはこころの現実性として了解されている。痛みはまことに辛い現実であって、放っておいてもよい幻想ではない。だから、「指にささっている刺」は、当人の痛みという現実的な感覚の記号であり、逆に痛みは生体の異変の情報であり信号である。そもそも目(脳)は光(電磁波)を受けて、それを視覚へと変換するのであり、身体という場の中で、指(脳)は刺という物理的な刺激を受けて、それを痛覚へ変換する(ただし、どのようにしてなされるかは解っていない)。そして、同じ身体のなかで視覚と痛覚が、同じ場所から出た感覚同士として結びつくわけだ。しかい、感覚同士は再び外部感覚へと投影されるから、両者の間には変換関係が成立する。P103~P104

 そもそも感覚にしか現れない現実がある。美がそうだ。むろん音楽も同様で、音は感覚としてしか存在しない。音楽は客観的には空気の振動にしか過ぎない。検証可能な客観的事実だけが現実なら(これは論理実証主義の行き過ぎである)、作曲家も演奏家も聴衆も欺瞞の産物で、音楽ビジネスは詐欺だということになる。味覚についても全く同様である。

 感覚(自覚)が意味の情報だということは無視できない。たとえば、こころの働きは当人に感覚(自覚)されるものだが、その感覚は同時に「きよらか」あるいは「きたない」「とうとい」「いとわしい」などという感覚、つまり、こころの働きに対する全人格的反応(全人格に対する意味の情報)を含むものである。感覚は単に事実の情報ではなく、意味の情報だということは、宗教の領域での感覚の重要性を示している。P105~P106

八木誠一著『<はたらく神>の神学』岩波書店 2012年 

これを読んでいて大変興味深い<こころ>に関する文章にであったので抜粋してみました。

八木誠一

      八木誠一先生です。

 

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患者さんの質問に答えられないとき

2年生の保健指導の採点をしていました。

最後の問題は、自分で問題を作り、それに回答してください。
配点は、問題5点・回答5点です。

学生時代の試験で、山を張って一生懸命に勉強してきたことが出題されなかったことが
何度かある。そのときのショックは大きかった。
そんな時、苦し紛れに答案用紙の裏一面に、覚えてきたことを書いて提出していた。
その行為に対する先生の反応は様々でした。
「必要なこと以外は書かない。」と怒られたこともある。
「頑張っていたんだなぁ」と、勉強してきたことをほめてくれた先生もいた。
下駄をはかせてくれた先生もいる!!
無視する先生もいらした。

今振り返ると、私は何度も試験で危ない橋をわたったのですねー。
まあ、再試験料を払いたくないという必死の思いからです。
そうなら勉強すればいいのですが・・・

大変自分勝手な学生でしたから(今も変わらないかも・・・)、
下駄をはかせてくれた教科のモチベーションは高くなりました。<笑>
そんな経験から、学生自身で問題を作りそれに回答するという問いを作っています。

今回、驚いたことに半数以上の学生さんが、同じ回答をしてきました。

<問題>
歯科医院での保健指導中、患者さんが答えられない質問をしてきたとき
あなたはどう対応しますか?

<答え>
①黙らない・慌てない・焦らない・即答できないことを隠さない

②落ち着いて「少しお持ちください」と言って、先輩衛生士か歯科医師に聞いて答える。
 または、代わって答えてもらう。

③緊急を要しないものは、「では、それについては次回詳しくお話ししますね。」と
 伝え
自分で勉強し、患者さんに渡すパンフレットなどを用意して、次回の課題にする。
 SOAPのP<教育プランに入れる> 

④例:患者「洗口剤・デンタルリンス・水歯磨き・含嗽剤の違いって何ですか?
      私は何をどう使えばいいでしょうか? 」
   DH「その気持ちよくわかります。
      最近、ドラッグストアーに並んだ商品を見ると私たちも混乱しそうです。
      では、次回お話ししますね。○○さんにあったものを選んでおきます。」

 

これらはもちろん、教科書にはないことですよね。
実は授業中、私が臨床で失敗した話を紹介したものでした。
不勉強な私が困ったときの苦肉の策!<苦笑>
学生は、こんなことはよく覚えているんですねぇー

りり1

 

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う蝕活動性試験の覚え方

「手根管症候群」になって、左手の小指以外がの指が痺れ、夜は痛みで目が覚めちゃいます。
手の平のつけ根部分にある「手根管」の中で正中神経が圧迫され、麻痺が生じるそうです。
通常中年期の成人にみられ、女性に多い病気とのことです。<苦笑>
痺れのため、キーボードに触れなくなってしまいました。
右手だけでキーボードを打つのに慣れてきました。
さらに、ぎっくり腰に引き続く腰痛、ばね指と、齢には勝てません。

不自由ですが、患者さんの気持ちがわかるねー!
口腔にマヒがある患者さんにブラッシングをしょうとすると、怒り出しますねよね。
痺れているところに触れると、いわく言い難い不快感に襲われるんですね!

さて、昨日で松山の川原学園の歯科衛生士さんの授業を終わらせていただきました。
寂しい感じもしますが、体力的に無理になってきましたので。

今日は、保健指導の試験の採点をしています。
みなさん、齲蝕活動試験の問題ができていません。
覚えるのは大変ですね。

ネットを見ていると、次のような情報がありました。
再試験では、間違えないでくださいね!!

ロンちゃん

ロンちゃん

mixiコミュニティ で、<う蝕活動性試験の覚え方>を見つけました。

先輩にきいたやつ☆

歯: エナメルバイオブシー  歯はエナメル質

歯垢: カオリオスタット    カリオスタットとスマップ
   スワッブテスト 

唾液 ワッチテスト      ワッチゎ(わたしゎ)
   ハードレイテスト   ハードな
   RDテスト    ロードレーサー
   ドライゼンテスト ドライブにいけば
   リックレステスト リッチな
   グルコースクリアランステスト フルコース
   フォスディックテスト     (ふたりで)フォークダンス
を   スナイダー         スナイダア!!

ドライゼンテスト 唾液緩衝能
-ドライブにいくから干渉するな!

カリオスタット (酸産生能測定)
-カリオスタットさん

グルコースクリアランステスト(グルコースの口腔内残留時間の測定)
-フルコースは残すな!

フォスディックテスト(カルシウム溶解性)
カレとフォークダンスを踊ったら溶けるでぇ!!

ハードレイテスト(乳酸菌数測定試験)
乳酸菌でおなかの調子が悪くなったらハードレイ

スナイダーテスト(酸産生能)
お産はスナイダー

RDテスト(酸化還元指示薬レサズリンを変色)
ロードレーサーは元へ帰る

つかれたあああああああああああああ爆笑
これつっこみどころ満載ですがめっちゃ憶えれますよ♪
これきいてからうちはう蝕活動性の問題落としてませんッ☆笑

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障害者の通所施設で口腔ケア 歯科衛生士との連携で大幅改善

    • 福祉新聞編集部  2015年06月29日より
ビバラックを使い口腔清掃をする職員
ビバラックを使い口腔清掃をする職員

 横浜市神奈川区の重度重複障害者通所施設「若草」(矢口達也施設長)は、口腔清掃用機器や個々の利用者に適した歯ブラシを使い、毎日30分間の口腔ケアを行っている。歯科衛生士などと連携することで利用者の口腔状態は大幅に改善。「通所施設ならではの専門性」と家族などから高い評価を受けている。

 社会福祉法人和枝福祉会(桜井和典理事長)が1999年に開所した若草は、身体と知的の障害を併せ持つ利用者に日常生活動作の訓練や入浴、音楽・創作などの活動の場を提供すると共に、さまざまな体験を通して社会活動への参加をサポート。現在60人と契約しており、毎日約40人が5班(部屋)に分かれ過ごしている。

 口腔ケアのきっかけは、重度重複障害者への支援の一つに健康維持があり、そのためには口腔ケアが欠かせないと考え、開所準備中に区歯科医師会に協力依頼したこと。和枝福祉会はそれまで知的障害者施設を運営していたが、重度重複障害者への支援は初めてで口腔ケアのノウハウも持っていなかった。

 知識も技術もないところから始まった口腔ケアは、毎週1回派遣される歯科医師や歯科衛生士の協力を受け、個々の利用者に適した歯磨き方法を模索するところからスタートした。障害の程度や動きの早さ、口腔状態などが一人ひとり違うため、個々に合った方法を見つけるまでは苦労の連続。職員が磨き方を考え試しては、歯科衛生士からアドバイスを受けることの繰り返し。歯ブラシが本人に合っていない場合などは、家族に伝え歯ブラシを変えてもらうなど協力してもらった。

 口腔ケアを始め1年後には、歯科医師会の勧めで㈱東京技研の介護用口腔清掃用具「ビバラック」を借りて使うことになった。ビバラックは自分で歯磨きやうがいができない人の口腔清掃を安全・簡単にできる機器。少量の水を注いで歯を磨きやすくしつつ、水を吸引するので誤嚥のリスクなく歯磨きできる。

 しかし、注水タンクに水を入れたり、利用者の近くに持って行ったりとセッティングが必要。「誤嚥のリスクのある人に使ってみたが、操作に慣れるまでには相当の時間が掛かった」と指導主任の伊藤健さんは振り返る。

利用者・家族に変化

 口腔ケアを始めて16年。歯科衛生士などとの連携で培ったノウハウは、重度重複障害者通所施設としての専門性を向上させた。昼食後30分間行われる口腔ケアの時間は、利用者の健康維持の場、家庭での歯磨きを補完する場として各種ケアの中でも高い優先順位になった。

 そんな若草の口腔ケアはさまざまなノウハウに満ちている。例えば、歯磨き時間は利用者のペースに合わせ1人当たり10分程度かける。歯ブラシも口腔内の状況に合わせ「360度歯ブラシ」など個々に適したものを使い分け、誤嚥のリスクの高い人にはビバラックを使っている。

利用者ごとに磨き方を変える

 また、感染症予防を考慮し、職員は不織布マスクと使い捨て手袋を着用。ゴムアレルギーのある人には他の素材でできた手袋をするなどの配慮も忘れない。

 職員が代わっても歯磨き方法が変わらないよう各班の先輩が新人に教えたり、年1回歯科医師・衛生士による講習会を開いたりするなど意識や技術の向上にも努めている。

 そうした工夫や職員の努力もあり、利用者や家族に変化が出てきているという。開所当初は家庭で歯磨きができない利用者が多く、舌苔で舌が真白な人もいたが、今では皆無になった。利用者の口腔状態は大幅に改善し、歯科衛生士などが「若草に通い始めてから口腔内がきれいになった」と驚くほどだという。

 家族の意識も変わり、「歯ブラシを換えてほしい」「歯石を取るために歯医者さんに行ってほしい」などと伝えればすぐ対応してくれるようになった。

 「口腔ケアには歯科でなければできないこと、家庭で日々行うことがある。通所施設としての支援の範囲を考えなければいけない」と話す矢口施設長。家族に口腔状態を伝えたり、適した歯ブラシを提案したり、歯科に行くよう伝えたり、家庭では行き届かないケアを補うなど通所施設ならではの役割を果たしたいという。

 試行錯誤を繰り返し培った若草の口腔ケア。専門性に満ちた取り組みは、重度重複障害者通所施設の機能として普及されるべきだろう。

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歯のブローチ

丸亀市土居保育園の家庭教育講座で、お話をしました。

その後、おいしそうな昼食のにおいにひかれて教室を回ると、
丁度、食事の支度中。
おいしそうな食べ物を目の前にすると、ちっちゃな子どもは待てません。
思わず手をだしてパクリと食べちゃうと・・・・
家庭なら、「待ちなさい!」と叱りつけたり
「いただきます」のご挨拶なく食べ始めたりするところです。

しかし保育士さんは、子どもの大好きなとっておきの絵本を開いて、
楽しく子どもの<待つ>力を引き出していました。
さすが!!

給食は、ご飯、具だくさんのお味噌汁、お魚、お野菜、トマト。
理想的な食事ですねー。

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帰り際、同年代の園長先生との話が弾み、楽しいひと時を過ごしました。
さらに、思いがけないプレゼントも頂きました。

園長先生が紙粘土で作った、歯のブローチ!!
洋服につけて動くと、目がきょろきょろしてかわいいー
現物はスワロフスキーが、もっと輝いています。

何とも言えない表情は真似できませんが、作ってみようかと思います。
患者さんへのプレゼントにいいですよね。

白衣に似合いそうなので、歯科医院のスタッフさんのほうが喜ぶかも。

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右隅のバッチは、香川版うどんを食べる、ご当地<予防さん>

左隅のバッチは、<G・U・M>の歯ブラシ

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お母さんへの指導に四苦八苦

4月に卒業した歯科衛生士さんから、相談がありました。

1歳と2歳、年子のお子さんのお母さんに、仕上げ磨きがでがきないと言われました。
仕上げ磨きの知識はあるのですが、子どもが嫌がるそうなのです。
子育てしたこともない私にはよくわからなくて、
何をどう勉強したらいいのか困っています。

なるほど、なるほど!!
若い歯科衛生士さんがが歯科保健指導をし始めると、誰もが通る悩みです。
この壁にぶち当たれるというのは素晴らしいとだと、私は思うのです。
なぜって、「お母さんに指導をしている」ことが素晴らしい。
     「お母さんの気持ちを聞き出せている」ことが素晴らしい。
そして、未熟さを自覚し、学んで何とかしたいと悩んでいるところがいいですよね。

授業で使った「歯で泣く人笑う人」は、患者さんのお困りごとに
具体策を提案するスタイルで書いたものですから、読み返してみてください。
1年生の頃とは違ったかたちで、役に立つかもしれません。

 

歯で泣く人笑う人

患者さんと一緒身学ぶなら、
倉治ななえ先生の「はじめての歯磨きレッスン」は、
非常にいい本だと思います。

ブラッシング指導の本

わかりやすい本です

1.6歳前後のお子さんの歯科保健指導用に、パンフレットを作っています。
ダウンロードしてご活用ください。

歯育て上手は子育て上手

歯科保健指導の素晴らしさは、
患者さんの全身の健康を支援できることになると思っています。
「なぜ、[かかりつけ歯科医]のいる人は長寿なのか?」も、読んでみてください。

かかりつけ歯科医」のいる人は長寿

 

3冊とも、これまで紹介しています。

日々思うこと 2件のコメント