§第八段
1997年の総務庁の調査 (25~34歳の若い世帯)において、パンの消費が米の消費を上回ったと報じられた。 さらに10年前に1987年には貸し の消費が米の消費を上回ったが、その差は今も開く一方である。
これは日本の農業問題としてだけでなく、歯科保健指導においても注目すべき事態だと考えるべ きだと思う。これまで歯科衛生士も「甘いお菓子やジュースを控えるように」と指導してきたはずなのに、事態は一向に改善される兆しをみせないからである。 指導すればするほど、それをあざ笑うかのようにジャンクフードの消費は増え続けているのだ。一体、どうしたことか。
話は脱線するが、「主食はご飯ではなく、パンでもいい」と思っている方に一言。日本は欧米とは違い、食パンの中にも砂糖や油を入れているのをご存知だろ うか。その上にバターやジャムを塗って食べるのだから、これを”ハジの上塗り”と呼ぶ栄養士がいるのもうなずける。
さて、ここからが本題。人間は何のために食べるのだろうか?答えは簡単、生きて活動するためである。食べ物の中でエネルギーとなる栄養素は、炭水化物、 タンパク質、油質の3つ。その中でも炭水化物は、人類の大半が主食としている大切なエネルギー源である。主食としている食材は地域によって麦、とうもろこ し、いもなどと異なるが、日本人の場合は米、すなわちご飯である。
もし、ご飯をきちんと食べなければ、体は他の炭水化物を要求する。ご飯の代わりになりやすいものといえば、砂糖。それを許すとジュースやお菓子が「やめ られない、とまらない」モードになっていくのである。この状態が日常化すると、砂糖だらけの食生活が体全体に悪影響を及ぼすとわかっていても、やめること ができなくなる。生理的欲求の前では理性は無力なのである。ダイエット経験者なら、理性のもろさを理解できると思う。
だからこそ、私たち歯科衛生士はおやつ指導の戦略を理性に訴える方法から、生理的欲求を静めることへとシフトさせていく必要があると思う。まずはご飯を しっかり食べ、のどが渇いたら水かお茶を飲む。それができた時点で、個々の事情に合わせた指導をすればよいと思うのだ。中には、水もお茶も嫌いという子ど ももいて、途方に暮れることもあるが・・・。


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